2021年7月に劇場公開された『ライトハウス』の予告編動画は、こちら
謎めいた絶海の孤島に、二人の灯台守がやってきた。
ベテランの男と経験不足の若者は衝突を繰り返すが、そんな時 嵐が島を襲ってくる!
『ライトハウス』は、外界と遮断された灯台を舞台に、彼らが徐々に狂気と幻想に侵されていく様を 美しいモノクロームの映像で描いた傑作スリラームービー。
いにしえの響き・・・灯台守
「灯台守」という言葉には、物語のような古の響きがあります・・・そのライフスタイルは、俗世間から身を引いて灯台を管理するおじいさんが 日が暮れると灯台に火を灯すことだけが仕事のスローライフ的な生き様をイメージします。
スローライフ? とんでもない!
灯台守の仕事は灯台の点消灯だけではなく、船との無線交信、海上の気象観測、霧笛や灯器、レンズ、回転機械などを維持管理するために高い技術が必要な特別な職業だったのです!
日本では2006年の長崎・五島列島にある女島灯台(めしまとうだい)が 無人管理となったのが最後に「灯台守」の仕事は自動化され、現在では海上保安部が遠隔管理しています。
孤島での過酷な環境!
灯台(ライトハウス)が建てられる場所は町から遠く離れた岬の突端や孤島が多く、台風などの自然災害は生命の危機を伴い、戦時下においては多くの灯台が攻撃されたようです。
灯台守は過酷な仕事だが、当時は海に出た人々が無事に帰ってこられるように灯台守が必要とされ、舟が難破しないように光の信号を送り、人命のため、人々の暮らしのため、灯台の灯りを守ることを信念とし、高い使命感で職務を全うしたのです。
『ライトハウス』のあらすじ・ストーリー
男二人だけの下界から遮断された世界!
灯台守の映画『ライトハウス』は、1890年代にニューイングランドの謎めいた孤島にやって来た二人の灯台守の物語。
彼らの仕事は、これから4週間にわたって2人だけで灯台と島の管理を行うことだった。
老いた灯台守のベテランと経験不足の若者が衝突を繰り返す様を描きながらも、嵐が島を襲い取り残された人間の狂気を、美しいモノクロームの映像で表現されていきます。
狂気と幻想に侵されていく二人・・・
荒れ狂う海を一隻のボートに乗って、男二人が孤島に降り立った。
老いた男と若い男は、4週間の間 灯台守として島に派遣されてきたのだ。
ベテランの老いた男はいつも酒を飲み、自分だけが灯台最上部の灯りの場に近寄っている。
二人は反りが合わず、ことごとく衝突を繰り返していく…。
その後、陸に戻る予定の日に嵐が襲来し船は来ない!二人は島に立ち往生する事になった。
嵐は益々激しくなり・・・二人は、埋めてある予備の酒瓶を掘りおこし、ひたすら酔っ払った。
酒も無くなり灯油まで飲むようになった二人は、錯乱状態に陥り喧嘩を始める。
そして、二人は狂気と幻想の世界に侵されていく・・・・・最後に生き残るのは?
キャストは二人だけ!
キャストも全編通してほぼ二人のみの映画で『TENET テネット』のロバート・パティンソンと名優ウィレム・デフォーを主演に迎え、実話をベースに仕上げました。
監督は新進気鋭のロバート・エガース監督
監督は “魔女”をテーマにしたホラー映画『ウィッチ』で、絶大な人気を集めたロバート・エガース監督で、わざわざカナダ東部の海辺に架空の灯台を建造し、あえて悪天候のロケに挑んだエガース監督の並々ならぬ細部へのこだわりがあります。
そして前作『ウィッチ』では山羊の怪演?に絶句したのに、またしても本作で動物の怪演にド肝を抜かれることになる・・・その動物の理不尽なまでの邪悪さ、しつこさに、こちらの頭まで変になりそうだ~~本作には 不気味な人魚が??
気鋭の映画製作スタジオ「A24」の製作
アメリカの映画製作と配給会社「A24」は奇抜で斬新な作品が多く、2018年の『へレディタリー/継承』が大ヒットを記録するなど、製作した作品の・品質・受賞歴・作家性・興行収入の全てで成功をおさめ、今や世界的に名の知られた企業となりました。他には「ムーンライト」や「ミッドサマー」などの作品で知られている。
美しくも恐ろしいモノクロ映像の魅力
本作は、今どき珍しい35ミリ白黒フィルム・スタンダードサイズのフォーマットムービーで、モノクロ映像は美しくも不穏な雰囲気で不安感を一層煽ります。
モノクロ映像の特徴である「光と影」の映像は、人物の心理描写や窮地に追い込むシーンなどの演出に絶妙な効果を発揮しています。
オススメのモノクロ作品!
2011年のハンガリー映画『ニーチェの馬』の荒涼とした世界、2018年のチェコスロバキア映画『異端の鳥』の衝撃映像など、不思議な感覚を味わえるモノクロ作品です。
二人の渾身の演技は必見!
W・デフォーとR・パティンソンの熱演は、「狂演」と呼びたくなるほどの凄まじさ!
人間の狂気と恐怖の根源に迫る、二人の迫真の演技合戦が最大の見どころ!
そして、怪しげな人魚の登場もシュール?
作品情報
- 製作国:アメリカ・ブラジル合作
- 監督:ロバート・エガース
- 上映時間:109分
- 日本劇場公開日:2021年7月9日
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