2021年3月に劇場公開された『スプートニク』の予告編動画は、こちら
ソ連宇宙船で謎の事故が発生し、全ての乗務員が死亡した・・・唯一生還した飛行士の体内に は”ヤツ” が生息していた!
『スプートニク』は、人間に寄生・共生したエイリアンの恐怖を描いたロシア産SFサバイバル・アクション。
スプートニクの意味とは?【ロシア語】
映画のタイトルと同名の村上春樹さんの作品『スプートニクの恋人』では、旅の連れを指していると言われています。
『スプートニクショック』なんて言葉もあります
ロシアが宇宙にスプートニク1号の打ち上げで成功した際に受けた、衝撃感の事を指しています。
宇宙からのスプートニク
sputnik(スプートニク)は、旧ソ連による世界初の無人人工衛星の名前だが、もともとロシア語で「同行者・旅の連れ」を意味する言葉ですが、宇宙飛行士は、宇宙からエイリアンという”スプートニク(同行者)”を連れてきたのだ!
『スプートニク』は、冷戦時代のソ連を舞台に、宇宙飛行士の体内に潜んだ未知の生物が巻き起こす恐怖を描いたSFホラー。
人類は”ヤツ”に捕食される!
宇宙船と共に飛来した<未知なる生命体> このエイリアンは人間に寄生し、人間に擬態し、人間を捕食する新種の寄生生物で、伸縮自在でどんな環境下でも絶対に死なない!・・・そして、人間が寝ると口から這い出し生き物を食べてしまうのだ。
このエイリアンは、人間と精神も身体も完全に共生共存している一体化生命体で分離はできない!・・・確実に捕食され、このままでは人類は絶滅する。
この究極生命体を阻止するべく、女性医師・タチアナと寄生された男の人類の命運を賭けた戦いが始まる・・・しかし、その裏では異星人を生物兵器化しようとする陰謀が秘密裏に進行していた。
斬新なクリチャーの造形
本作に登場するエイリアンの造形は斬新で芸術性も高く、ネチョッ!ぐちゃっ!という異性体の粘液音も響き、脳がゾワゾワしてくる様な感じを受ける。
『スプートニク』での音響効果は、エイリアンの声や呼吸音を作りだすため、数々の試行錯誤から生まれた独特な音作りがされている様です。
特に、エイリアンのデザインはSF『スプライス』を彷彿とさせるような生理的嫌悪感と好奇心を併発させるバランスになっており、粘着性があって気味が悪い!
全米でスマッシュヒットを記録
本作は、2020年にアメリカ最大の映画祭の一つである、トライベッカ映画祭で公開後は、斬新なクリチャーの造形と恐怖演出からリドリー・スコット監督の傑作『エイリアン』に相通ずるとSF映画ファンの話題を独占し、北米公開後は初登場ベスト10にランクインするほどの大ヒットを記録。
更にシッチェス・カタロニア国際映画祭をはじめ各国の映画賞を席捲し、辛口の映画批評サイト「ロッテントマト」では驚異の満足度90%を達成!
日本では、ヒューマントラストシネマ渋谷&シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2021」で公開されました。
注目を集めるロシア産SF大作
ロシアのSF映画というとアンドレイ・タルコフスキーの『惑星ソラリス』(1972年)が有名ですが、近年ではロシア産SF映画が徐々に注目を集めつつあります。
エイリアンとの遭遇を描いたSF大作『アトラクション』シリーズは、ロシアのSF映画史上最大の興行収入を稼ぎだし、高度なVFXによるハリウッド路線のSF映画が続々と作られるようになりました。
『スプートニク』のあらすじ
そのエイリアンは人間と共存する
宇宙での任務もこなし、地球への帰還間近だったソ連の宇宙船オービタ号で謎の事故が発生し、ほぼ全ての乗組員が死亡した。
唯一生還したのは、一人の宇宙飛行士だけだった。
しかし、生還した宇宙飛行士コンスタンチンの存在は隠蔽され、カザフスタンのソビエト秘密軍事施設に監禁される。
コンスタンチンは記憶障害を起こしており、宇宙船での事故は覚えていない。
そこで、神経生理学者のタチアナ博士が軍の命令により理由もよくわからないままに この施設へ送り込まれた。
タチアナはPTSDと判断し、コンスタンチンを監視していたが、彼は突然苦しみだして気絶し口の中から謎のエイリアンが這い出してきた!
その生物は宿主の身体の中に潜み、宿主の身体にダメージを与えないように寄生共存しているエイリアンだ。
そして極秘の研究所では、その生物を制御し軍事利用する目的があった。
タチアナとコンスタンチンは、軍の計画を知り施設から脱走した。
その後、分離したエイリアンと二人の逃走劇が始まる。
キャスト
タチアナ役に『ジェイソン・ボーン』シリーズの『ボーン・スプレマシー』のオクサナ・アキンシナ。
エイリアンと一体化している宇宙飛行士のコンスタンチンを演じているのは、戦争映画の大作『スターリングラード』などのピョートル・フョードロフ。
他、エゴール・アブラメンコ、オレグ・マロビチュコ、アントン・ワシーリエフ等。
エイリアンは恐怖ホルモンが大好物
本作のエイリアンの好物は、人間が恐怖に遭遇した時に分泌されるコルチゾールで、捕食対象を恐怖させ コルチゾールの分泌を増やしたところで脳を狙って攻撃するスタイル。
ホルモン焼きではなく、恐怖ホルモンが大好物なのです!
『スプートニク』は、エイリアンの寄生の仕方や造形が色々と新鮮な作品です・・・その造形は ネチョッ!ぐちゃっ!
映画『スプートニク』の評判を調べてみた
村上春樹『スプートニクの恋人』を読んだ。村上春樹を読むのは初めてだったがなるほど、たしかに面白い。文体も相まって映画的な印象を受けた。スプートニクの恋人は結局、前進?成長?に伴う痛み?というのが初読の印象とだけ
AWAPさんのWEB連載『いい映画いっぱいあるのに!』更新されました。 今回はロシア産SF映画『スプートニク』をご紹介。 クリーチャーの造形はもちろん、絡み合い昇華していく人間関係と旨みたっぷりの作品。B級かと思ってうっかり観ると涙腺やられる…
キングの『死の舞踏』で少年時代、映画の最中に上映が中止され、劇場の支配人からソ連のスプートニク打ち上げだったかのニュースを伝えられた時に館内を恐怖が支配したことを回想していたな。あれは技術開発に遅れをとったことの恐れではなくて本当に頭上の脅威への恐れだっ…
作品情報
製作国:ロシア
監督:エゴール・アブラメンコ
上映時間:114分
日本劇場公開日:2021年3月26日
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