「永遠の都」ローマを舞台にした『ローマの休日』は、今も色褪せることのない映画の傑作です。
オードリー・ヘプバーンとグレゴリー・ペックの魅力的な共演により、ロマンチックで心温まる物語が描かれています。
この映画は、単なる恋愛映画ではなく、自由を求める若き王女の物語としても深く心に残ります。
この記事では、『ローマの休日』の魅力を深く掘り下げ、その不朽の名作が今日に至るまでなぜ多くの人々に愛され続けているのかを考察します。
1954年に劇場公開された『ローマの休日』の予告編動画は、こちら
千年の都・美しいローマの街を背景に繰り広げられる、王女アンと新聞記者の切ない物語。
ラブストーリーの最高傑作にして永遠の愛の名作『ローマの休日』が製作70周年を迎え、4Kレストア版の鮮明な映像でスクリーンに復活!珠玉の名作がリバイバル・ロードショー。
女王はローマの街へ繰り出す
ヨーロッパ最古の王室の王位継承者であるアン王女は、欧州各国を親善旅行で訪れていた。
アン王女はローマでも、女王としての公務を笑顔を振りまきながら無難にこなしていく。
だが実は、彼女はこれまでのハードスケジュールで疲れやストレスが溜まっていた。
寝る前 主治医に鎮静剤を投与されるものの、気の高ぶりからか逆に目が冴えてしまった彼女は、こっそり夜のローマの街へ繰り出すことにした。
王女と新聞記者の出逢い
やがて、アンは投与された薬が効いてくると ベンチでそのまま寝入ってしまう。
そこへ偶然通りかかったアメリカ人の新聞記者ジョーは、彼女を一国の王女であることも知らずに自分のアパートで休ませるのだった。
だが、一夜を共に過ごすうちに彼はアンの素性に気づいた・・・この女性はアン王女だ!
彼は、彼女と一緒に随伴し特ダネをモノにしようと思いつく。
元祖デート・ムービー
そして、二人のローマの街の冒険が始まった! 美しいローマの町を舞台に繰り広げられる、王女と新聞記者のたった一日のラブストーリー・・・「ローマの休日」が!
『ローマの休日』は、オードリー・ヘプバーン演じるアン王女と、グレゴリー・ベックが演じるジョーの身分違いの叶わぬ恋に、世界中の女性が憧れました。
製作70周年4Kレストア版で再登場
20世紀最高の愛の名作が、最新デジタル技術を駆使した鮮明な映像でリバイバル公開。
ローマを舞台に、王女と新聞記者の1日限りの恋をロマンチックにつづる感動作!
当時新人だった オードリー・ヘプバーンは『ローマの休日』で、アメリカ映画初出演を果たし、これをきっかけに妖精オードリー・ヘップバーンとして大スターへと成長します。
この映画は、世界中にオードリー・ヘプバーンの魅力を知らしめる作品となりました。
主役のヒロインが見つからない!
『ローマの休日』の製作は1940年代から企画されるも、なかなかゴーサインの出なかった作品で、新聞記者のジョーを名優グレゴリー・ペックが演じることがまず決定し、映画製作は進み始めた・・・ところが、肝心のヒロインがなかなか見つからない!
由緒ある国の王位継承者であるアン王女役には当初、エリザベス・テイラーやジーン・シモンズといった当時の人気スターが候補に挙がっていました。
ヘプバーンを発見!
だが、本作の監督ウィリアム・ワイラーは、俳優の知名度にこだわらず「無名であっても王女の役にふさわしい」候補を徹底的に探すオーディションを始めたのです。
そしてパラマウントのロンドン支社がヘプバーンを発見し、ワイラー監督がロンドンに立ち寄った際にカメラテストを行ったのでした・・・そして ヘプバーンに決定!
史上初!全編イタリア・ロケ
製作も兼任したワイラー監督はローマで撮影を行うことを強く希望し、アメリカ映画として史上初の全編イタリア・ロケ作品となりました。
本作は当初カラーで撮影するはずだったが、モノクロになったのは海外撮影で予算がかさんだのが原因だという。
演出無しの驚きリアクション
劇中ジョーがアン王女を顔の彫刻がある「真実の口」に連れて行き、“嘘つきが手を入れると咬まれ”という言い伝えを教えてから、手を入れるなりジョーは絶叫し、引き出した手先が無くなっているのを見て、アン王女は悲鳴を上げるシーンがあります。
実は、この段取りはオードリーに知らせないままカメラが回され、キャ~と悲鳴をあげて顔を両手で覆ったのは、オードリー本人の心底驚いたリアクションだったのです。
アカデミー賞初ノミネーションで受賞!
ハリウッド映画のヒロイン像に新風を運んだオードリーは、本作で第26回アカデミー賞主演女優賞を受賞、初ノミネーションで受賞という快挙を成し遂げました。
『ローマの休日』あらすじ
アン王女はヨーロッパ各国を表敬訪問し多くの人と挨拶を交わし、夜は舞踏会と大忙し。
笑顔を絶やさず公務をこなすアン王女は、これまでのハードスケジュールで疲れやストレスが溜まっていた。
アン王女は、おやすみの時間となったが、宮殿の外からは楽しそうな宴会の音が聞こえてくる・・・うらやましそうに外を眺めるアン。
主治医に鎮静剤を投与されるものの、気の高ぶりからか逆に目が冴えてしまった彼女は、こっそり夜のローマの街へ無断で街に繰り出してしまう。
外出する前に鎮静剤を注射されたため広場で寝込んでいたアンを、偶然通りかかった新聞記者のジョーが保護する。
自分のアパートにアンを泊めたジョーは、翌日になって彼女が王女であることを知って驚いたが、特ダネをモノにするためにアンのローマめぐりに随伴する。
そしてカメラマンのアーヴィングを呼び出し、ひそかに写真を撮らせることにした。
しかし一日中ローマの街を冒険しているうちに、二人は強く惹かれ合ってゆくのだった。
ローマの休日が名作と呼ばれる理由
時代を超えて愛される普遍的なストーリー
1953年公開の映画「ローマの休日」は、王女と記者の身分違いの恋を描いたロマンティックコメディです。
公開から70年以上経った今でも世界中で愛され続ける名作ですが、なぜ人々を魅了し続けるのでしょうか。
オードリー・ヘップバーンの魅力
本作で主演を務めたオードリー・ヘップバーンは、可憐な美貌と自然体な演技で世界中の観客を魅了しました。
王女アンの無邪気さと成長を体現した彼女の演技は、時代を超えて多くの人の共感を呼んでいます。
ウィリアム・ワイラー監督の巧みな演出
ウィリアム・ワイラー監督は、美しいローマの街並みを活かしたロマンティックなシーンと、ユーモラスなシーンを巧みに織り交ぜました。
また、王女と記者の心の交流を丁寧に描写することで、観客を物語に引き込みます。
心温まるメッセージ
本作は、身分や立場を超えた愛の物語であると同時に、自分自身を見つめ、成長していく女性の物語でもあります。
王女アンは、自由な一日の中で様々な経験を通して、王としての責任と自身の幸せについて考えます。
印象的な音楽
映画音楽作曲家ジョージ・トランスの音楽は、本作のロマンティックな雰囲気をさらに高めます。
特に、王女アンとジョー・ブラッドリーが真実の愛に目覚めるシーンで流れる「真夏の夜の夢」は、映画史に残る名曲として知られています。
映画史における重要性
「ローマの休日」は、ロマンティックコメディ映画の金字塔として、その後の多くの映画に影響を与えました。
また、オードリー・ヘップバーンのファッションは、世界中の女性たちの憧れとなりました。
現代でも楽しめる作品
「ローマの休日」は、時代を超えて愛される普遍的なストーリーと魅力的なキャラクター、そして美しい映像で、現代でも十分に楽しめる作品です。
まだ見たことがない方は、ぜひ一度鑑賞してみてはいかがでしょうか。
キャスト
グレゴリー・ペック、オードリー・ヘプバーン、エディ・アルバー、ハーコート・ウィリアムズ、マーガレット・ローリングス、パオロ・カルリーニ、トゥリオ・カルミナティ、ハートリー・パワーなどが出演。
ヘプバーンの魅力が満載の映画
ウルウルとした大きな目はまるで小鹿のよう・・・彼女の屈託ない笑顔は、見ている人をも笑顔にします。
そんな半面、寝ぼけた姿を見せたり、大きな口をあけてジェラートを頬張ったり、顔を汚したりとお茶目な一面をみせてくれる。
そして、潤んだ瞳の悲し気な表情に、王女に相応しい凛とした立ち姿など・・・『ローマの休日』は 妖精オードリー・ヘプバーンの魅力が満載の映画です。
美しいローマの町並み、そして切ないラスト! 何度見ても感動で胸がいっぱいの作品。
オードリーヘップバーンの出演映画
ローマの休日
麗しのサブリナ
パリの恋人
昼下りの情事
ティファニーで朝食を
シャレード
マイ・フェア・レディ
おしゃれ泥棒
いつも2人で
暗くなるまで待って
作品概要
製作国:アメリカ
監督:ウィリアム・ワイラー
上映時間:118分
劇場公開日:1954年4月19日
4Kレストア版で2023年8月25日リバイバル上映。
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