主人公・久能整は天然パーマがトレードマークで友達も彼女もいない、カレーをこよなく愛する大学生・・・時に優しく 時に鋭い魔法のようなお喋りだけで 事件の謎を解いていく。
『ミステリと言う勿れ』は、大人気漫画を原作とした 天然パーマの大学生が事件の謎も人の心も解きほぐす、新感覚のミステリー!
2023年9月に劇場公開された『ミステリと言う勿れ』の予告編動画は、こちら
ただの事件と言う勿れ
久能整は、社会では ”当たり前のこと” とされている常識にも常に疑う視点を持っている。
トコトン考え抜く性格で、膨大な知識と独自の価値観による持論を淡々と展開する。
だから、普通は見逃してしまうような わずかな違和感にも気づきトコトン追及する。
ゆえに、どんな些細な事件でも ・・・”ただの事件と言う勿れ“ と言う。
喋らずにはいられない
“僕は常々思っているんですけど” という語り出しから始まる彼のお喋りは、「ウザイ、面倒くさい、理屈っぽい」と言われ続けている・・・でも彼はオシャベリを し続ける。
当の本人は、膨大な知識に基づく持論を喋るのが好きなだけ。
そして自分の持論を淡々と述べるだけで、事件の謎も人の心も解きほぐしていく。
殺人事件の容疑者に!?
そんな整もある日、身に覚えのない殺人事件の容疑者にされてしまう。
刑事たちから取り調べを受ける中、彼は得意のお喋りで刑事たちが抱えている悩みまでも解きほぐし、いつのまにか事件の裏に隠されたヒントを与えていく。
次々と起こる不可解な事件でも、整くんのおしゃべりで 解決されていくのです。
新たな謎が幕を開ける
天然パーマでおしゃべりな大学生・久能整は、美術展のために広島を訪れていた。
そこで一人の女子学生と出会い、とあるバイトを整に持ちかけてきた。
”バイトしませんか、お金と命がかかっているんです マジです!” と。
それは、名家で狩集家の莫大な遺産相続を巡るものだった。
マジでヤバい!
そしてこの遺産相続は先祖代々も続くいわくつきで、その度に死人が出ているのだ。
整がそれを聞いた時、これは「犬神家の一族?」とつぶやいた。
遺産を巡る争いで死者さえ出るとは・・・マジでヤバい! ただの遺産相続と言う勿れ。
「おしゃべり」なアフロ大学生が謎を解く
お馴染みのダッフルコートとマフラー、そして鳥の巣みたいな天然パの大学生・久能整。
心理学を学ぶ大学生・久能整(くのう ととのう)は さまざまな難事件に関わり、時に優しく、時に鋭い魔法のようなお喋りだけで 事件の謎や人の心を解きほぐしていくのです。
久能整くんは、冷静沈着・頭脳明晰・記憶力と観察眼など・・・古今東西の「名探偵」なみの能力を兼ね備えている。
しかし、寡黙タイプの彼らと大きく一線を画しているのは「おしゃべり」なこと。
セリフに注目!おしゃべりが武器?
話題は「女性軽視の職場とは」「お父さんクサイは正常?」「蟻という字になぜ義が含まれる?」等々、とりとめもない気になる話題のオンパレードで ついつい話に引き込まれる。
そして、その「おしゃべり」が彼を疑う刑事を味方につけたり、事件の鍵を見つけたりする「久能整の武器」となるのです。
ちなみに「お父さんクサイは正常?」は、それぞれの世代にはその世代特有の臭いがあり
赤ちゃんには甘酸っぱい臭いがあり、加齢が進んだお父さんも皮脂中に過酸化脂質の量が多くなり体臭成分であるノネナールが発生してオジサン臭くなるのです・・・クサイは正常。
「蟻(アリ)という字になぜ義が含まれる?」は、虫偏に「義」の漢字で女王アリに忠義を誓う働きアリの生態からという説も?あります。
蛤(ハマグリ)は虫!?
虫に分類されている漢字は、蚊・蛙・蝶・蝿・など左側に虫偏(むしへん)があります。
では貝類の「蛤(ハマグリ)」の漢字は「虫」偏に「合」で蛤・・・何で虫偏なのか?
古代中国でハマグリは人でも魚でも鳥でもなく、何と!虫に分類されていたのです。
そのため蛤は「虫偏」が用いられたそうです。
ミステリではない?
本作で起こる「事件」は、どれも事件の関係者たちが「自分の本心を明かさないと先へ進めない構造」になっているので、整くんのおしゃべりで本心がだんだん誘導されていくのです。
そしていつしか、参加型の「おしゃべり」が広がって登場人物たちがそれぞれの立場で、ひたすらおしゃべりを続ける「ミステリ仕立てのおしゃべり会議」なのです。
ミステリだけどミステリじゃない、ゆえに、この作品が『ミステリと言う勿れ』。
「マンガ大賞2019」第2位
原作は、2016年から月刊フラワーズで連載をスタートし大人気となり「マンガ大賞2019」で第2位にランクインし、その後も2年連続でトップ10入りとなっている他に「このマンガがすごい!」など各賞にも続々ランクシンしています。
大人気漫画をドラマ化
『ミステリと言う勿れ』は、2022年にフジテレビ月曜9時枠でTVドラマ化されました。
この新感覚ミステリーは放送開始から瞬く間に話題となり、高視聴率を記録しました。
TVドラマは原作を再現するかのようなキャストの演技と、意外なストーリー展開から、見ごたえのある新感覚のミステリードラマに仕上がっています。
TVドラマ・エピソード1
第1回目の90分スペシャルで放送された初回では、整の近所の公園で起きた大学生殺害事件の顛末が描かれました。
自宅で大好物のカレー作りをしていた整の元に、警察官・薮と池本が現れ、整は近所で起きた殺人事件の容疑者として任意同行、事情聴取を受けることになった。
ところが整は刑事たちの矛盾点をズバズバと突き、「面倒くさい」整に刑事たちは困惑する。
聴取が進むうちに、刑事たちが人知れず抱える悩みに寄り添う「お悩み相談」のような展開もあり、そこから事件の意外な事実が浮かび上がっていくさまが視聴者を驚かせました。
ネット上の配信再生数NO.1
特筆すべきは、第1話が世帯数の視聴率ではなく、ネット上の配信再生数。
この時のドラマで「何が支持されているのか」と言えば、真っ先に挙げられるのが主人公・久能整を演じる菅田将暉さんの淡々とした長ゼリフ。
第1話では、スタートからわずか8分で放った長ゼリフが早くも話題になり、事件の真相究明とは関係のないシーンで放つセリフですら、さまざまな反応を集めています。
人々の共感を集めた語り調
整は飼い猫の死に目に立ち会えず落ち込んでいる風呂光聖子に、“きっと風呂光さんのことが大好きだったんですね。あなたに死ぬところを見せたくなかったんです。猫の習性ってだけじゃなくて”・・・と語りかけました。
さらに“そういうのって猫に限った話じゃないですけどね。うちの母方の祖母も、入院中そばに誰かいつもいたのに一瞬、人がいなくなったのを見計らったように亡くなりました。母は嘆いていたけれど、僕は祖母の意思だと思う。
強くて優しい人だったから死ぬときに見られたくなかったし、見せたくなかった。それは祖母の、猫のプライドと思いやりです」と続けて、ペットに限らず大切な存在を失ったことがある人々の共感を集めました。
『ミステリと言う勿れ』
もともと当作は「ミステリと言う勿れ」というタイトルを見ても、原作者の意図が犯人探しやトリック当てがメインではないのです。
主人公の整が話す人々の価値観や常識、固定観念をすり抜けるような言葉の数々は、胸に突き刺さる時もあれば理屈っぽいだけに見えて、実は温かいのです。
さらに、鋭い社会風刺も利いているため、つい考えさせられてしまいます。
本作は整が淡々と述べる「言葉」こそが最大の魅力であり、大きな盛り上がりを
生んでいるのです・・・ゆえに普通の「ミステリと言う勿れ」。
連続ドラマから映画化へ
今回の映画版で描かれるのは、原作で4番目のエピソードでコミックス第2~4巻に収録されている「広島編」で、ロケの都合で連続ドラマでは映像化が果たせなかったエピソード。
ご当地・広島でロケも敢行され、正月から春までの出来事として設定されています。
おしゃべりな名探偵の新たな事件
久能整はアフロ風の天然パーマがトレードマークで、友達も彼女もいない、カレーをこよなく愛する大学生。
彼は趣味の美術展を見るために、広島を訪れていた。
そこで、ある事件で知り合った生年・犬童我路の知人だという、女子校正・狩集汐路(かりあつまり しおじ)と出会う。
彼女は”バイトしませんか。お金と命がかかっている。マジです”と言って、とあるバイトを整に持ちかけた。
それは狩集家の莫大な、遺産相続を巡るものだった。
当主の孫にあたる汐路と、他3人の相続候補者たちと顧問弁護士は遺産を手にすべく遺言書に記されたお代に沿って謎を解いていく。
遺言書には「それぞれの蔵においてあるべきものを、あるべき所へ過不足なくせよ」と記されていた。
蔵の中にあったものは「季節を現した人形」「陶器」「錆びた武具」「座敷牢及び手記」がそれぞれの蔵にあった。
誰が謎を解いて遺産を相続するのか?
だがこの遺産相続は、先祖代々と続くいわくつきで、その度に死人が出ていた。
汐路の父親も8年前に、他の候補者たちと共に自動車事故で全員死亡していたのだった。
そして遺産相続に隠された「真実」が、次第に紐解かれていく。
そこには世代を超えて受け継がれる、一族の「闇と秘密」があった。
さらに、もともと整がこの事件に巻き込まれたのは、犬童我路が仕組んだことだったのだ!
その理由は?
キャスト
菅田将暉、原菜乃華、松下洸平、町田啓太、荻原利久、柴咲コウ、鈴木保奈美、松坂慶子、尾上松也、永山瑛多、でんでん、角野卓造、松嶋菜々子などが出演。
主題歌は、4人組のロックバンドKing Gnuが本作のために書き下ろした新曲「硝子窓」。
奥が深い名言
整がなにげなく言った言葉たちは、問題解決の鍵や糸口になったり、人生を変えるヒントになっていたりする名言があります。
”真実は人の数だけあるんですよ” でも事実は一つだけです・・・「事実」と「真実」は違う。
”ここで発生する全ての問題はあなたのせいで起こるんです、あなただけが悪いんです!責任転嫁しないでください” ・・・自分が言われた時に ハッとする言葉です。
“弱くて壊れやすいのは当たり前” だからカウンセリングを受けて修復するのも一つの手だという言葉は「人の弱さ」についての考えで名言中の名言です!
“したことも、しなかったことも いずれ自分に還ってくる“ この言葉は、やるべきことを怠ったり 何かを諦めてしまいそうになったりした時に、戒めとなるセリフです。
久能整の口癖”ダンゴムシになるな”
ダンゴムシは、ちょっと刺激を受けただけで体をまん丸にします。
”ダンゴムシになっちゃダメだ!”・・・それは辛いとき布団に丸まる「ダンゴムシ状態」のことで、ただただダンゴムシになって辛い状態を抑え込むだけの姿になるなと言っています。
彼は言う・・・辛いとき ”ダンゴムシになる勿れ“ と。
作品概要
製作国:日本
監督:松山博昭
上映時間:128分
劇場公開日:2023年9月15日
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