2023年1月に劇場公開された『イチケイのカラス』の予告編動画は、こちら
キャッチコピーは、「法廷イチのくせ者は裁判官でした。」
竹野内豊さん演じるお堅い裁判官のイメージとはほど遠い型破りのクセ者と、黒木華さん演じる堅物エリートをコミカルに描く、笑いあり、涙あり、サスペンスありの爽快エンターテインメント。
「イチケイ」の意味は?
イチケイは、東京地方裁判所第3支部第1刑事部の事を指しています。
「イチケイのカラス」放送回数
全11話となります。
最終回は、6月14日の放送予定です。
「イチケイのカラス」出演者
イチケイのメインメンバー
入間みちお・・・竹野内豊。イチケイの刑事判事。本作の主人公で中卒でありながら、元弁護士である。
坂間千鶴・・・黒木華。イチケイを改善するために特例判事補。主人公とは、正反対の堅物でエリート意識が高い
駒沢義男・・・小日向文世。総括判事でベテラン判事。
川添博司・・・中村梅雀。イチケイの主任書記官で「ついていない男」である。同期が出世する中、自身が出世しないのは、イチケイに原因ありとネガティブ。
石倉文太・・・新田真剣佑。イチケイの書記官
一ノ瀬糸子・・・水谷果穂。新人女性事務官
浜谷澪・・・桜井ユキ。イチケイの新人女性事務官
最高裁判所のメンバー
日高亜紀・・・草刈民代。最高裁判所判事である。
東京地方検察庁
井出伊織・・・山崎育三郎
城島怜治・・・升毅
「イチケイのカラス」のあらすじ
竹野内豊さん演じる主人公・入間みちおは、東京地方裁判所第3支部第1刑事部、通称「イチケイ」の刑事裁判官。
ひげを生やし、カジュアルな服装を身にまとう、お堅いイメージの裁判官とはほど遠い風貌をしています。
それに加え緊張感のないゆるい空気をまとい、とぼけた発言も多い事から周りが振り回される事もしばしば。
しかしその一方で、しがらみや偏見、先入観にとらわれない自由な発想と観察眼を持ち、弁護士団や検察官たちから恐れられているクセ者でもあります。
周りの事などお構いなしにマイペースで事件を深堀りしていくみちおですが、実は元弁護士という異色な経歴の持ち主でした。
元弁護士の彼がなぜ裁判官になったのか。
みちおの知られざる過去が次第に明らかになっていきます。
そして、そんな入間みちおと正反対の堅物エリート裁判官・坂間千鶴(さかまちづる)を演じるのは、黒木華さん。
堅物エリートのイメージ通り、男性社会の法曹界において若くして特例判事補になった優秀な女性です。
将来を約束されたエリート中のエリートですが、堅物で冗談が全く通じず、マイペースにじっくりと事件の真相を深堀りしていくみちおにイライラが募るばかり。
しかし、事件をただの”案件”ではなく”一人一人の人生”として扱うみちおの信念に気づいたとき、坂間は「裁判官として何ができるのか」という問いに直面することに。
そんな性格も価値観も違う相容れない2人が運命的な出会いを果たす事で、難事件の裏に隠された真実が明らかになっていきます。
「イチケイのカラス」感想
本作品の見どころは、なんといっても性格や価値観が違う個性豊かなキャラクターです。
裁判官といえばお堅いイメージを浮かべる中で、竹野内豊さん演じる主人公・入間みちおの、良い意味で期待を裏切るゆるさとマイペースさは思わず笑ってしまうストーリー展開となっています。
今回は今話題の黒木華さんとの共演ということで、演技派揃いの俳優陣という事もあり、ストーリーがより鮮明に頭に入り引き込まれていきます。
竹野内豊さんが月9に出演するのは、上戸彩さんと共演したラブストーリー『流れ星』以来実に11年ぶり。
役柄も少し風変わりな裁判官役でお茶目なシーンもあり、決める所はしっかり決めるというギャップも描かれているので、とても新鮮な気持ちで楽しめるのではないでしょうか。
まとめ
検察官が主人公のリーガルドラマ作品は数多く放送されてきましたが、刑事裁判官を主人公とした民法連続ドラマは意外にも今作が初。
11年ぶりに月9ドラマで主演を務める竹野内豊さんに、共演するのは今話題の女優・黒木華さんという、安定感のあるキャスティングとなっています。
一話完結ストーリーとなっているので、前話を振り返らずとも楽しめるのが本作品の魅力的な要素の一つでもあります。
堅苦しくて難しいイメージが先行する裁判の事象を、子供から年配の方にまで馴染みやすく丁寧に作られた作品です。
クセのある刑事裁判官を竹野内豊さんがどう演じ切るのか?
そして、入間と坂間の2人の関係は今後どう転んでいくのか?
最後まで目が離せないストーリー展開は必見ですよ!
『イチケイのカラス』各話のあらすじ
第1話のあらすじ
入間みちお(竹野内豊)は、東京地裁第1刑事部<通称:イチケイ>の刑事裁判官です。
元弁護士という経歴を持つみちおは、ヒゲを生やし服装はカジュアルで裁判官のイメージとはほど遠い男ですが、自由な観察眼と、徹底的に調べる探究心を持ち、弁護士団や検察官から恐れられていました。
そんなみちおを見守るのは、イチケイの部長で、有罪率99.9%といわれる日本の刑事裁判におき30件あまりの無罪判決に関わっている伝説の裁判官・駒沢(小日向文世)と、元傍聴マニアの書記官の石倉(新田真剣佑)。
また、お人よしの書記官・川添(中村梅雀)や、母でもある書記官・浜谷(桜井ユキ)、事務官・一ノ瀬(水谷果穂)もイチケイを支えているメンバーです。
そのイチケイに、特例判事補になった坂間千鶴(黒木華)が赴任することになります。
東大法学部出身の坂間は、冗談が全く通じずイチケイに異動してきた目的は、事件の処理件数が少なく、会社なら倒産レベルの“赤字”状態であるイチケイを立て直すためでした。
駒沢は早速坂間にみちおと組むよう指示し、みちおを裁判長に坂間と駒沢の3人で審議する合議制で取り組むことになります。
起訴案件は、大学生の長岡誠が代議士の江波にケガを負わせた傷害事件でした。
実は彼は江波の秘書だった洋一郎の息子で、洋一郎は2ヵ月前不正献金疑惑で特捜部がマークし始めた矢先に、電車に飛び込み、自殺を図っていたのです。
検察側から、みちおのお目付け役として井出と、城島が出廷した第1回公判では、誠は江波の方から先に殴ってきたと証言し、父は自殺ではないと主張しました。
するとみちおは、傷害事件のもとになった洋一郎の死の真相を確かめる必要があるとして、捜査権を発動し現場検証を行うと言い出して坂間や井出たちを驚かせます。
現場へ赴き、交通情報や付近の工事現場の騒音など、とても電車の音に気付けるような状態ではないことが分かったみちおは、現場の踏切でお花を手向けていた少女のことが気になります。
後から調べると、少女は目撃者の娘であることが発覚しました。
実はこの子と母親が事件現場のそばにいた時に、母親が洋一郎の揉めている所を目撃し少女はオルゴールの音色に気を取られ、踏切内で箱から物を落としてしまい屈んで拾おうとします。
ただ周りの音がうるさくて電車に気付かなかった少女を、咄嗟に救ったのが洋一郎だったのでした。目撃者である母親は命の恩人なのに嘘の証言を江波に頼まれ、ずっと隠していましたが、良心が痛みやっと真実を話してくれたのです。
こうして事件は解決しました。
第2話のあらすじ
ある日坂間は最高裁判所判事で、司法研修所時代の教官でもある日高から呼び出され、パーティーに出席します。そこで坂間は、最高裁事務総局の事務総長・香田健一郎を紹介されました。
健一郎は、坂間が地裁の第3支部の立て直しを任されていることを聞いており、人事局でもみちおの存在が問題視されていることを彼女に話します。
そんなとき駒沢は、合議制で扱いたい案件があるとみちお達に伝えます。
それは、1審で有罪判決が下された料理研究家の深瀬瑤子(前田敦子)による幼児虐待事件でした。
瑤子は当時1歳半の娘が泣き止まないことに苛立ち、激しく揺さぶりケガを負わせたことにより、傷害罪で2年6ヵ月の有罪判決を受けていたのです。
しかし瑤子は判決を不服として控訴します。それを受け高裁は、審理内容を精査し、地裁に差し戻したのでした。
実はこの案件は第1審の裁判長を健一郎の息子・隆久が務めた“取り扱い要注意”案件で、幼児の症状を診た医師の診断に間違いがないかみちおは疑問を持ち、10名の他の医師を呼び、同じように子供の症状を診てもらったのです。
すると医師らは、外傷を負った日から症状が出るまで3日程度の幅があったことが予想できると判断したのでした。
この事実が分かるとみちおは職権を発動し、事件3日前のときから事件を調べることになったのです。
まずはじめに、みちお達は瑤子の夫・啓介に話を聞きに行きました。
啓介は瑤子の育児疲れもあって、事件の3日前は社内の託児所に娘・しおりを預けていたことを話してくれました。
保育士に話を聞くと、その日に微熱があったしおりを連れ、かかりつけの病院でしおりを診てもらったそうです。
診察室で電話が入り保育士はその場を離れ、しおりを先生に預けたままでしたが、いつもより診察時間が長かったことを話しました。
その医師の名前は、なんとしおりの事件時の診断をした足立医師だと判明したのです。
足立医師を法廷に呼びたかったのですが、足立はそれを拒みました。
そこでみちおと坂間は病院に話を聞きに行きましたが、看護師から足立と香田隆久が揉めていたことを聞き、2人は学生時代の先輩後輩という間柄だったことを突き止めます。
そして地裁チームと検察チームの連携プレーで、足立と香田から話を聞く差し戻し公判が開かれることになります。
香田は証人尋問でみちおから「裁判官が絶対にしてはいけないことは何か?」と尋ねられます。
香田はすぐに「間違えることです。」と答えますがそこでもう1人の証人、足立が法廷に現れました。
足立はしおりが受診した日のことを正直に話し、診察中に急患の電話でカルテを見ている時に、しおりが寝返りしベッドから落ちたのです。
その後足立はしおりに異常がないか確認しましたが、3日後に救急で呼ばれ、しおりが急性硬膜下血腫で危険な状態だったのです。
3日前にベッドから落ちたことが気になりましたが、母親が虐待していた可能性もあることを聞いていたので、SBS(乳幼児揺さぶられ症候群)という判断をしたのです。
それからずっと疑念を抱き、不安になった足立は香田に思い切って誤診をしたかもと相談しますが、間違いが嫌いな香田は、自分も足立も間違えてないと言い聞かせたのでした。
結局、足立はSBSの第一人者である恩師に今回のことを診断してもらい、診断はSBSではなく3日前のことが原因での出来事だということでした。
瑤子は無罪になり事件は解決したのです。
第3話のあらすじ
ある日、駒沢は合議制で扱いたい案件がある、と告げます。
案件は重過失致死及び死体損壊の事件で、被告人はガラス工房で働く藤代、被害者は野上でした。
その教室には野上の娘・碧が通っていましたが、迎えに来た碧の母で、警察官でもある奈緒に一方的に好意を抱いた藤代は、「野上哲司は浮気している」等の内容の手紙を差し出し人不明で送りつけていたのです。
それが藤代の仕業だと気づいた野上は、事件当夜、藤代と工房で会い口論からつかみ合いになったというのでした。
藤代は工房にあった自転車に乗って逃げようとし野上と衝突し、野上は後ろに倒れ後頭部を強く打ち命を落としたらしいです。
犯行の露見を恐れた藤代は、野上の遺体を焼却炉で燃やしていました。
みちおが裁判長を務めた第1回公判、入廷してきた駒沢の姿を見た藤代は驚きます。
実は駒沢は、18年前に裁判長として藤代を裁いたことがあったのです。駒沢はかつて自分が裁いた人間が悪党で、また犠牲者を出したのかという不安に陥っていました。
調べを進めると、藤代は犯行時刻をちゃんと把握しておらず、辻褄が合わないので、みちお達は新たに捜査をすることになりました。
事件のあった工房に行くには、工事をしている道を通らなくてはならないのですが、藤代の証言した時間だと工事中のため車は通れないのです。
したがって犯行時刻が矛盾していることが分かりました。
ある日、担当の刑事が事件の証拠がなく、裏どりをしてないことをみちお達に伝えに来てくれました。
理由は野上奈緒にDVの疑いがあったからです。
藤代の18年前の事件について調べると、自首する前に逃亡した藤代が自殺を図った時に、その頃新人警察官として赴任していた野上が彼を説得し、自殺を思いとどめさせたのでした。2人は昔から深い関係があったのです。
実は事件の真相は、娘の碧が父親のDVを受け、母と自分の身を守るために頭を殴って殺したのでした。
その日にガラス工房のレッスンに通うことになっていたのに工房へ来ない碧を心配した藤代は電話をかけると、碧は助けを呼び、藤代は野上の遺体を目にしたのでした。
そこから現場を変え、工房へ遺体を運び、色々な細工をして事件現場を作り変えたのです。
奈緒も工房を訪れ、同じように細工をしました。
2人はかつて愛し合い、碧は2人の娘だったのでした。
第4話のあらすじ
ちおは、坂間を訪ねて裁判官官舎にやってきた彼女の妹・絵真と出会います。
絵真から、姉はどんな裁判官なのかと尋ねられたみちおは、裁判を傍聴したらどうかと言い、絵真はみちおと一緒に、坂間が裁判官を務めたいくつかの公判を傍聴することになりました。
そんな中駒沢は、ある少年事件を合議制で扱いたい、とみちお達に話します。
被告人は17歳の望月博人でした。
半年前に高校を中退した博人は、レジャー施設でアルバイトとして働いていましたが、あるとき売上金5000万円を盗み逃亡します。
警察に逮捕されそうになったとき、駅前のビルの非常階段から盗んだ現金をばらまいていました。
みちおは裁判長は坂間がいいのではないかと提案し、坂間が裁判長になります。
そして第1回公判で博人は、完全黙秘を貫くのでした。
みちお達は博人をよく知るため、彼が育った養護施設へと向かい、博人と兄弟のような関係の未希、陸の存在を知ります。
未希はピアノの才能があり、コンクールで優勝するほどの腕前でした。
しかし一年前、ジェットコースターでの事故により左手を損傷し麻痺が残り、ピアニストになる夢を諦めたのです。
事件を明らかにするため捜査を始めた坂間達は、ジェットコースターの運営会社がコストを減らし、定期点検と老朽化の部品処理を怠り事件が起きたことを知ります。
また犯行後の空白の時間で、博人がバスに乗り別の場所に向かう防犯カメラの映像を入手したのでした。
そして関係者の動きを調べると、陸と博人が会っている防犯カメラの映像が残されていたのです。
博人は、自分のせいで事故に遭わせた未希の手術費を得るために、事故の遭ったジェットコースターの運営会社の売上金を手術費だけ陸に託そうとしたのです。
それ以外の売上金は、ビルからばら撒くことで道行く人に奪われ、正確な金額が分からなくなるようカムフラージュしたのでした。
全ては兄弟である未希のため、計画したことだったのです。
第5話のあらすじ
みちおたちの元へ、あるバレエ団で起きた傷害事件の起訴状が届きます。
被告人はバレエ団代表で振付師の槇原で、被害者はそのバレエ団の元トレーナーの矢口でした。
2人は口論からつかみ合いになり、槇原は矢口を突き飛ばしたようです。
頭を強く打った矢口は一命を取り止めましたが、現在も意識不明でした。
その起訴状を見た石倉は驚きました。このバレエ団には、海外からも注目されているバレリーナ・馬場が在籍していて、実は彼女は石倉の学生時代の同級生で初恋の相手でもあったのでした。
坂間が裁判長を務めた第1回公判では、傍聴席に馬場だけでなく、何故か別の事件の公判を終えたみちおの姿もありました。
冒頭陳述で、井出はバレエ団に在籍していた矢口が複数のダンサーに対してセクハラをし、槇原にクビにされたことで一方的に恨みを抱いていたことなどを説明します。
すると『みちおを見守る会』の傍聴マニアから画用紙を借りたみちおが、「さっき、食い逃げの公判をやったんだよ。
食い逃げとバレエ団、ふたつの裁判、ひとつにくっつけたいんだよ」と書いた紙を坂間に見せます。
別々の事件であっても犯人が共通していたりする場合にまとめて審理する「併合審理」をしたいというのです。
実はみちおの事件の被告人・元木が、坂間の事件現場を目撃していたのです。
食い逃げ後に、橋の上で揉み合う人影を見たそうで、これを聞いた坂間は同時に事件を調べることに決めました。当初2人の言い争いだと思っていましたが、元木は男性1人女性2人の人影だったと証言します。
その女性のうちの1人が傍聴人席にいた馬場だと証言しました。駒沢と石倉はバレエ団へ事情聴取をしに行くと、馬場が練習中に足を痛め薬を飲んでいるところを目撃します。石倉は過去の彼女の講演動画を調べ、馬場の通院している病院を探し出し、変形性股関節症を患っていることを知りました。
大好きな初恋の人を助けるため、石倉は真実を証言しようと証言台に立ちました。
事件の真相は、こうです。
谷口が馬場を執拗に誘い連れ帰ろうとしたときに、槇原が庇って彼女を救ったのです。
それでも谷口が追いかけてきたので馬場が突き飛ばしたら、運悪く頭を打ってしまったのでした。
第6話のあらすじ
ある日草野球の試合を終えたみちお達は、地検チームと一緒に石倉の実家『そば処いしくら』に集まり飲んでいました。
そこに、坂間が日高を連れてやってきます。
坂間は女性裁判官の会に出席し、日高の最高裁長官内定のお祝いをしていたそうです。
するとみちおは、志摩総一郎という男の名前を出し、彼が被害に遭った窃盗事件を担当することになったと日高に話しました。
志摩は、弁護士時代のみちおが最後に担当したある事件に関わる人物だったのです。
みちおが裁判長を務める窃盗事件とは、前科6犯の窃盗犯・岸田が、会計事務所所長の志摩の家に忍び込み、現金113万円を盗んだ事件でした。
岸田は犯行後、盗んだ自転車で逃走を図りましたが、その途中で新聞配達員と衝突事故を起こし、顔を見られたため自首していたのです。
第1回公判で、岸田はエリート人生から転落し窃盗を繰り返したという井出の言葉に反発し、泥棒がいかに魅力的な仕事であるか、どんな金庫も開けられる優れた耳を持つ自分がその個性を生かすためにいかに努力をしているかを力説します。
また岸田には、金が余っている家しか狙わず、人は絶対に傷つけない、というポリシーがありました。
みちおは、淡々と話す岸田が、逃走時のことになるとあいまいに話すことや、今回初めて自首したことが気になり、逃走経路周辺の防犯カメラを確認することにします。
実際に現場から犯人が逃走する際に、自転車のかごにどのくらいの荷物が置かれていたかみちお達で調べることになりました。
調査の結果、正確な荷物の重さが20kgだとわかったのです。
それから志摩の事件を調べていた新聞記者の真鍋は、志摩に話を聞くときに、階段から落ちてしまって重体の状態でした。
それからしばらくして彼は亡くなってしまったのです。
検察側の上層部の圧力により、検察側の2人が思うように身動きが取れなくなっていました。
そこでイチケイメンバーは、彼らの良心に訴えるような方法で説得しました。
その後彼らは『そば処いしくら』でイチケイメンバーがそばにいる中、“世間話”として事件の大事な部分を教えたのです。
最後に第4回公判で、みちおは岸田に対し、記者の真鍋が亡くなったことを伝え、事件によって人の命が亡くなったという“人は絶対に傷つけない”という岸田のポリシーに反しているという事実を告げ、彼が真実を話してくれるのを促しました。
そこから岸田は正直に、盗んだ金額は2億円だと事件の真相を話し、事件は解決したのです。
第7話のあらすじ
弁護士時代のみちおが最後に担当した12年前の東丸電機殺人事件。
東丸電機の研究部主任だった被告人の仁科は、被害者の経営戦略部部長・布施から研究部門の解体および製造部門への異動を命じられたことが原因で度々トラブルを起こした挙句に撲殺した罪で、無期懲役を言い渡されていました。
しかし仁科は、判決後も無罪を主張し続け、獄中で命を絶ったのです。
仁科は、事件現場から逃げていく男を目撃したと主張していました。
その男が、イチケイが扱った窃盗事件の被害者で、国税庁OBの志摩だったのです。
この窃盗事件がきっかけで、志摩が所長を務めるオメガ会計事務所が、東丸電機を含む大手企業数社の脱税に関与していた疑いが浮かび上がっていました。
坂間は、仁科の妹の由貴を訪ね、再審請求をすれば12年前の事件の真相を明らかに出来ると説得しますが、断られてしまいます。
次に由貴を訪ねたのが、みちおの元同僚でもある弁護士の青山でした。
二人の説得により、由貴は再審請求を決心します。弁護人を務めることになった青山は、すぐに会見を開き、今回の再審請求について公開での審理を求めました。
第1回公判で裁判長を務めることになったみちおは、公判が始まる前に自身がかつてこの事件の弁護人であったことを公にしてから臨むのでした。
またみちおは、いつものように職権を発動し、事件を調べ直すことになりました。
かつての事件関係者達から事情を聴取し、新たな事実が分かったのです。
次の公判では、それらの事実は全て志摩を犯人だと疑ってかかり、裁判が公正に行われないと思われてか、検察から3人の裁判官を排除する申立が出されてしまいます。
高裁からの圧力で、それは坂間が尊敬する日高に関わりのあることでした。
第3回公判では、日高も法廷に呼ぶことになりました。
駒沢より、当時の裁判時の書記官から「上の意見を汲んで、早く審議を終わらせるように言われていたということ」を聞かれ、日高は証言が偽証だと告げます。
現役裁判官なので、ズバッと切り捨てるように理由も述べました。成す術もないイチケイメンバーは何も言い返せなかったのでした。
公判後に中森検事は日高に真実を語る様子を、日高はこっそりと録音します。
日高はその録音を持って、マスコミに大々的に取り上げてもらい、自身も裁判官を辞職する決意をしました。
初めから日高は中森検事から真実を聞き出すため、みちお達の裁判を利用したのでした。
第8話のあらすじ
『イチケイ』に、事務官から書記官になるための研修生として、前橋と磯崎がやってきます。
駒沢は合議制で扱う案件があるから立ち会うよう、2人にも指示します。
案件は傷害事件でしたが、その起訴状を見た坂間と浜谷は驚きます。
被告人の潮川恵子は、坂間が裁判長、浜谷が書記官を務めている窃盗事件の被告人だったのです。
万引きの前科があった恵子は、再びスーパーで万引きをして保安員に捕まっていました。
恵子の万引きを目撃し、店側に伝えたのは山寺史絵という女性でした。
恵子には6歳になる娘がおり、夫は海外単身赴任中で、育児と義母の介護の疲れから軽いうつ状態で服薬していたのです。
そんな恵子と話した浜谷は、子どもを預ける場所がない彼女は罪を認めて逃亡の恐れもないことから、在宅からの審理がいいのではないかと坂間にアドバイスしたと言います。
しかし恵子は、その間に史絵に暴行を加え、ケガをさせていたのです。
窃盗事件と傷害事件が併合され開かれた第2回公判で恵子は、被害者が小学校時代の恩師だったことに触れ、4ヵ月前に万引きで逮捕されたときのことは恨んでいないと証言します。
史絵にケガをさせてしまったのは、実は史絵が万引きをしたところを目撃し、それを止めようとした際に襲われて抵抗したからだと言います。
恵子は取り調べの時からそう主張していましたが、虚偽の発言として取り上げてもらえなかったのでした。
一方、井出は史絵が万引きをした証拠がないこと、そして恵子から暴行を受けた後、市会議員の夫に電話し、逆恨みで元教え子に襲われたと助けを求めていることを指摘します。
10分後に夫が史絵のところに駆けつけ、一命を取り留めたのです。
ただ軽度の麻痺と記憶障害が残ってしまったようでした。
さらに被告人は窃盗をしてしまう病気『グレプトマニア』になっていることが判明します。
被告人は史絵が万引きしたところを見た時、自分のようになってしまうと思い止めようとしたのでした。
傷害事件の傷の回数が2回で、それがどのようにしてできたのかが腑に落ちないみちお達は、職権を発動し事件を調べることにします。
その最中に被告人の娘のほたるが行方不明になり大騒ぎになりますが、彼女は史絵に会いに行っていたのです。
「ママを許してください」と謝るほたるに史絵は涙を流しました。
記憶障害だと思われていましたが、記憶は戻ったようです。
次の審理で史絵は手紙という形で、証言をします。
その手紙を夫が代読し、事件の真相を語ってくれました。
自身も被告人と同じ病気で、万引きがやめられずにいたのでした。
被告人が史絵と争い、被告人がその場を後にしたのち、史絵は「もう罪を隠しきれない」と思い、もう一度自分で頭に石を振り下ろしたのでした。
これが真実です。
傷害事件については、被告人は無罪となりました。
第9話のあらすじ
みちおや坂間達「イチケイ」が扱うことになった世田谷家政婦殺人事件が、裁判員裁判で審理されることになりました。
事件の被告人は高見梓、被害者は桐島優香で梓は家政婦として桐島家で働いていましたが、ある時柵が壊れていることを知りながらバルコニーで優香と争い、突き飛ばして転落させたと言います。
梓は転落後もまだ息のあった優香を、そのまま放置しました。
偶然やってきて異変に気づいた配達員が救急車を呼びましたが、意識は戻らなかったのでした。
また優香は梓に、多額の遺産を残すことを1年前に弁護士に伝えていたそうです。
優香の娘の希美も見守る中で行われた第1回公判で、梓は自分は殺していない、事故だと主張します。
遺産の件も知らないと証言しました。
実は梓は5年前に、火災事故で父と娘を亡くし、譲り受けた夫の会社を売却して多額の資産を得ていたのです。
被告人に対し不利な事柄ばかりが浮上しますが、イチケイメンバーは至って冷静に話を聞き判断していました。 また希美も家政婦の高見を弁護するため証言台に立ちましたが、家族のように思っていると話をしてくれました。 昔から心臓疾患を抱えていて、11歳の頃移植を受け、やっと普通の生活が送れるようになったそうです。
被告人のことを悪く言う人はいないことがわかり、裁判員の人達は困惑してしまいます。
関係者の周辺の人達に聞き込みを行うと、希美の心臓移植と、高見の娘の亡くなった日にちが同じであることが判明し、調べを進めるとやはり、希美の心臓は高見の娘の心臓だったことが分かりました。
最後に被告人は真実を話してくれました。
被害者は13年前の元夫の悪事を話し、別荘で自分も殺されそうになったことを口にしました。
そして逆に元夫を殺そうと思い、隙を見て殴りかかり、別荘から抜け出したそうです。
数時間後にもう一度別荘へ戻ると、元夫は倒れたままで息があったのですが、命が尽きるまで放置し近くの山林に埋めたそうです。
捕まるわけにはいかないと思いつつも、最近遺体が見つかり、もう時間の問題だと思ったようです。
被告人は自首を進めましたが、娘のことを思い、事故を装ってバルコニーから身を投げました。
判決は自殺幇助(ほうじょ)として懲役一年になりました。
第10話のあらすじ
みちおは青山と、彼女の母親の多恵に会いに行きます。
帰り道、青山は独立し事務所を立ち上げるにあたり、得意の企業法務だけでなく国選弁護もやっていくつもりだとみちおに話します。
青山は、その国選弁護である案件を担当するため、またイチケイに通うことになる、と続けました。
翌日、駒沢は合議制で審理するとみちおや坂間達に伝えます。
それは傷害事件でしたが、被告人が『名無しの権兵衛』で青山が弁護人を引き受けた案件でした。
第1回公判では、被告人は名前はもちろん、素性を明かすことを拒みます。
事件は、当時17歳だった被害者の朝倉純の胸部を工具で殴打し、ケガをさせたというものでした。
事件の背景にあるのは、路上生活者に対する少年達の投石事件です。
河川敷で路上生活者仲間とバーベキューをしていた被告人は、被害者の純を含む5名の少年達から石を投げつけられました。
少年達を追いかけた被告人は、純を捕まえ注意しました。
すると、腹を立てた少年達は再び投石行為に及び、路上生活者の一人にケガをさせてしまったのです。
純を探し出した被告人は、もみ合いになったときに彼が持っていたスパナを奪って殴りつけたというのです。
純は肋骨が折れるほどの大ケガでした。
しかしみちおから、起訴事実について間違いはないか、と問われた被告人は、間違っている、嘘だと答えます。 そして自分は嘘が嫌いだと言い、氏名は明かすことはないまま裁判が始まりました。
謎だらけの案件ですが、普段のように職権を発動します。
調べると、被告人はまるで医師のように路上生活者達の健康を気遣い、方言を話していたことを知ったみちおは、富山の方言かもと勘よく言い当てます。
青山の地元の富山へ向かったみちお達は、被告人の素性がわかりました。
17年前に緊急で帝王切開で処置しなければならない妊婦がおり、処置したのが被告人で、その場にいた看護婦が青山の母親だったのでした。
青山は母から頼まれ、彼を弁護することを引き受けたのです。
次の公判で被告人は自身の名を語り、17年前にあった出来事を話します。
緊急で手術し、母体も赤ちゃんも助けたかったのですが、実は彼は医師免許を持っていない、無資格医だったのです。
免許のない医師でしたが、医院のない過疎地では村のみんなから必要とされ、喜びを感じてしまったのでした。 医師免許を持っていないのに医療行為をしたことは時効が成立していますが、今回の事件で被害者が命の危険に瀕した際に被告人が医療行為を行った痕跡が残っていました。
自分がまた罪を犯すことよりも、被害者の命を救いたい、なぜならその子は17年前に自分が助けた子だからという、その理由だけで咄嗟に行動したのでした。
被害者も真実を語りたかったのですが、友人達から嘘をつくように言われ、嘘の証言をしてしまったようです。
最終話のあらすじ
裁判官であるみちおが、元同僚の弁護士・青山と癒着し、無罪判決を出しているという告発記事が週刊誌に掲載されました。
そんな中、みちおを呼び出した日高は、「地裁の裁判官の任期は10年。任期満了後にはほとんどが再任される。問題のある裁判官以外は――」と告げました。
坂間は、日高がみちおを呼び出した理由を知ろうとします。
しかしみちおは、カレー屋を開くという話だけだったと嘘をつきました。
みちおの任期終了まであと3週間。
再任は、最高裁裁判官会議の指名により内閣が任命されますが、実質的にはみちおと因縁のある、香田健一郎が事務総長を務める最高裁事務総局の決定によるものでした。
坂間や駒沢は、ゴシップ記事の裏で何か大きな力が働いていると考え、みちおが職権発動している重過失致傷事件を検証し直すことになります。
事件の被告人は大学生の笹岡です。
自転車競技部に所属する彼は、大会に向け深夜に自主練習をしていた際に、すごいスピードを出していた上、左側通行を守らず、旅行から自宅へ帰ろうとしていた家族連れと衝突事故を起こします。
その事故で、7歳の娘が意識不明の重体となっていたのです。
笹岡は、左側通行を守っていましたが、右折するときにライトで視界を遮られ、さらに工事用のガードフェンスがあったために右側を走るしかなかったと話しました。
しかし検察によれば、深夜に工事を行っていた記録は一切ないのです。
坂間は、大きな力で真実を捻じ曲げるなら司法はそれを許さない、と言いみちおへの協力を申し出ます。
みちおは、そんな坂間に「この案件が最後になろうとも、僕はいつも通りやるよ」と言い、いつものように現場へと赴き、調べるのでした。
現場は地下鉄工事エリアだということが分かり、坂間が今担当している案件と繋がりがある可能性があることも判明しました。
“東京スクランブルシティ”と言う大型複合施設が建設予定であり、それに伴う地下鉄工事の業務上過失で多くの工事作業員が怪我をし、ある作業員・本庄昭が亡くなっていたのでした。
本庄の母によると、日頃の過重労働が原因ではないかと話していました。
またプロジェクトリーダーの代議士・安斎高臣は2世議員で、この工事の元請けは鷹和建設で脱税をしていたところだったのです。
事の大きさが分かりましたが、みんな普段通りに二つの事件を併合審理として取り扱うことに決めたのでした。
そして職権を発動し、事件のことについて詳しく調べることになります。
みちお達は本庄昭の息子・歩にも話を聞くことにしました。
歩は父が忙しくなかなか話もできなかったので、父親と交換日記をつけていたことを教えてくれました。
その日記には、事件のことについても記されていたのです。
併合審理3日目に、5歳の歩が証言台に立つことになりました。
幼なすぎて証言能力に欠ける恐れもありますが、過去にも幼い子供が証言していた記録が残っていたのです。
歩はお父さんはいっぱい働いていて、ある日お父さんに勇気をあげたことも話してくれました。
歩の父親のために勇気を出した行動を見て、傍聴席にいた人達は胸を打たれ、嘘をついていた工事作業員のメンバーが真相を話すことに繋がったのです。
違法労働によって予期せぬ自転車事故が起き、工事作業員はみな限界だと本庄が伝えていたようで、業務上過失ではなく、社長の指示で過重労働によって本庄が亡くなった、と言うのが事実でした。
事件は解決し、みちおは任期を終え、結局クビになりました。
しかし納得のいかないイチケイメンバーらは、香田健一郎の元へ直訴に向かいます。
彼の知られたくない秘密を暴露し、みちおのクビはなんとか免れたのでした。
それからみちおは熊本に配属され、新天地でまた裁判官として事件とまっすぐ向き合います。
竹野内豊の出演作品
竹野内豊 出演のテレビドラマ
星の金貨シリーズ
理想の結婚
ロングバケーション
ビーチボーイズ
WITH LOVE
氷の世界
真夏のメリークリスマス
できちゃった結婚
ヤンキー母校に帰る
人間の証明
瑠璃の島
BOSSシリーズ
不毛地帯
流れ星
グッドパートナー 無敵の弁護士
竹野内豊 出演の映画
冷静と情熱のあいだ
太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-
謝罪の王様
シン・ゴジラ
ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜
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