あらすじ・ストーリー
〈一話〜三話〉
舞台は東京地検城西支部―ジャケットにジーンズという、検事らしからぬ格好で、久利生公平が赴任してきます。
彼の優秀さは赴任前から噂になっており、新人の雨宮事務官は彼の担当になりたいと自ら申し出て担当事務官になります。
ですが彼の検事らしからぬ格好に不信感を抱き、担当を変えさせてほしいと上司に懇願します。
この頃、城西支部は贈収賄事件で大忙し。
久利生検事が初めて担当するのは下着泥棒事件でした。
犯人の「その時間は自宅でビデオを予約していた」という証言に、何かを考える久利生は、被疑者に話を聞いたり、もう一度考察したりと、熱心に細やかな部分まで調べるのです。
その姿に雨宮事務官は少しだけ見直します。
そして事件は、録画していたビデオが証拠となり不起訴となりました。
この件で雨宮は久利生検事のことを見た目で判断せず、彼の行動を思い返してしまうのです。
そして、あざだらけの顔で高井戸という男が久利生を訪ねてきます。
突然路上で殴りかかってきた男をかわしたら、その男が階段から転落して死亡したという事件で正当防衛を主張していました。
ずっと黙秘を続ける高井戸に何かを思った久利生は、雨宮と一緒に聞き込みを始めます。
聞き込みを続ける久利生は、亡くなった被害者が職人として勤めていた和菓子屋にも調査へ向かいます。
手を大切にする職人が、人を何度も殴ることに違和感を感じる久利生は、根気強く調査を続け、調書には載っていないラーメン屋の店主から、高井田が被害者を階段から突き落とした証言を得ることができました。
納得するまで調査を続ける久利生の姿勢は、どんな事件でも変わらないようです。
また別の日、行きつけのバーで雨宮に好意を寄せる江上と、雨宮が話しているそばで久利生は、テレビを見ていました。
すると突然、店内で男性が女性に刃物で襲い掛かる事件が起きます。
その事件の加害者の男・宮川は被疑者として久利生の元へやってきました。
話を聞くと女性は結婚詐欺の疑いがあり、久利生と雨宮は真相を探ることになります。
そして久利生は宮川に、彼女を結婚詐欺で逆告訴するように伝えます。
女性を調べ追求すると「男から金をもらっていた」と反省してる様子もなく答えるのでした。
人の弱みに付け込む手口が許せない久利生でしたが、彼女を起訴することはできなかったのです。
一方、宮川は起訴猶予となり事件は幕を下ろしました。
〈四話〜六話〉
江上と雨宮は、ストーカー殺人事件で殺された女子大生の検死に立ち合い、容疑者の小山田の取り調べを行っていました。
江上は証拠不十分で小山田の逮捕を見送ることになりましたが、小山田が病院から逃げ出し、警視庁から江上にクレームが入ります。
職場の皆から冷たい視線を向けられる江上でしたが、久利生も小山田が高額なビンテージ服を着ていることに気づき、人を殺す時に着るとは思えないと疑います。
その後皆で捜査をしますが、結局証拠を掴めずに小山田は逮捕されてしまいました。
急いで現場に向かった久利生と雨宮ですが、刑事・檀原に煙たがられることに。
それでも最後まで捜査を続け、真犯人がいると思われるお店に聞き込みに行き、芝山らの助けを受けて、真犯人を逮捕することができました。
小山田が犯人ではなかったと分かり、捜査ミスの疑いが晴れた江上は、久利生にお礼を言います。
久利生は、妻・美紀子と不倫相手・朝美との話し合い中に刃物を振り回し、妻に怪我を負わせた矢口という男の取り調べをしていました。
しかし、矢口は包丁を持ったのは妻だと反論。
朝美も、矢口が妻をけがさせたと証言していますが、久利生は何か腑に落ちない様子。
そして久利生と雨宮は、朝美の実家の旅館にやってきます。
なかなか朝美から本当のことを聞き出すことができず、一部屋しか空いていない旅館に泊まることに。
お風呂から出てきた雨宮は、1人で食堂にいる朝美と恋愛について話すことになります。
その夜、いつものバーでは、美鈴が不倫関係にある芝山に、これからのことを問い詰めていました。
翌朝、旅館では朝美が証言を変えると言い出します。
城西支部にやってきた朝美は「包丁を振り回したのは妻だ」と証言を変えました。
なぜ矢口を愛していたのに、嘘の証言をしたのかと聞かれ、朝美は「自分を刑務所へ入れた女のことは一生忘れないでしょ」と、忘れられる寂しさを口にしたのです。それからしばらくして久利生は、警察官刺殺の容疑で、保田という男の取り調べをしていました。
保田は容疑を認めているものの、柔道4段の男が護身用のナイフで犯行に及んだことが引っかかります。
その夜、バーでは客の真壁という男が雨宮を誘い、2人は別の店で飲むことに。
一方、一緒にバーにいた久利生は、保田が「身代わりに自首した」と供述を一転させたとの連絡を受け城西支部に戻ります。
真壁に連れられ店にやってきた雨宮でしたが、突然刑事が店に入ってきて、「賭博の現行犯で逮捕する」と逮捕状を出し、客たちは慌てて逃げだしますが、真壁は逮捕され、雨宮も取り調べを受けました。
警察官刺殺事件では、太田川という男が容疑者として送検されますが、太田川には事件当日、湯布院の温泉にいたというアリバイがありました。
久利生は太田川の自宅から押収された大量のマッチに書かれた店を1軒ずつあたり、太田川が東京にいた証拠を掴むことに成功し、アリバイは崩れたのです。
〈七話〜九話〉
久利生は電車内での痴漢行為で強制猥褻(わいせつ)罪に問われる綿貫という男を捜査しています。常習犯の手口なのに、綿貫は普段車で通勤しているため、電車に乗ることがないと言うのです。
被害者・智美は綿貫の会社をリストラされた元社員で、彼女には不倫で訴えられた過去があり、今回裁判になれば、結婚を控えている婚約者に過去のことが知られてしまう恐れがありました。
何とか上手く解決したい久利生は、綿貫の運転手である松原への聞き込みを始めます。
すると、松原はわざと見えるように久利生の前に業務日誌を置き席を外しました。
これにより、綿貫が何度も電車を利用していることが判明し、久利生は綿貫の弁護士に「智美の過去に触れないように」と念を押し、事件は解決しました。
美鈴は痴漢事件の公判で、やり手の弁護士・江里子から久利生の様子を聞かれます。
江里子はどうやら久利生と親しい過去があったよう。
城西支部に戻り話をしていると、江里子が訪ねてきて、久利生との再会に盛り上がっています。
江里子は久利生が担当することになった、医療過誤の被疑者を弁護することに。
外科医の本間は、手術ミスで患者が亡くなった可能性があると証言していましたが、一転、手術は適正に行われ、死因は感染症であると言いました。
医療過誤の事件について、美鈴は事件後に退職をした准看護師の証言を得ることになります。
准看護師の淳子の証言を取ろうとした久利生と雨宮でしたが、先に手を打っていた江里子に口止めされます。
しかし、久利生が命の尊さを訴え、淳子は医療ミスがあったことを認めたのでした。
公判では、さらに証言を一転させる淳子でしたが、久利生は不可解な点を指摘し、淳子は真実を証言しました。
そして別の日に、城西支部には宅配ピザが届けられ、誰が注文したかも分からないまま開けてみると、中には発煙筒が入っていました。
配達員は暴れだし、煙の中逃げ去ります。
警察の捜査も始まり、検察に恨みを持つ人物を探りますが、それらしい人物は浮かびません。
城西支部の皆も犯人を特定するような特徴を掴めていません。
城西支部では、身の安全を守るために、単独行動禁止となりました。
また事件時に雨宮のメガネが壊れたので、雨宮はメガネ店に久利生と訪れることに。
雨宮のカバンの中に入っていた白い包みに気付いた久利生が、とっさに投げると、包みは爆発しました。
狙われているのは雨宮のようです。
警察から犯人が逮捕されたと連絡があり、久利生と雨宮は警察署で犯人を確認し一安心しました。
雨宮が先に警察署を出ると、廊下で犯人と会った久利生は、雨宮を狙った理由を尋ねます。
しかし犯人は雨宮のことを知らず、久利生は嫌な予感がして走り出しました。
すると、雨宮は女にナイフを向けられていたのです。
久利生と女はもみ合いになりましたが、雨宮の特技である少林寺拳法で事なきを得ます。
女は、過去に横領罪で美鈴が起訴した遠藤で、取り調べでの雨宮の「反省してください」と言う発言が許せなかったのでした。
〈十話〜最終話〉
久利生は、キャスター・榎本に対する暴行傷害事件で送検された古田という男の取り調べを行っています。
粗大ごみの不法投棄を、テレビで榎本が批判したことが動機とされていましたが、古田は無罪を主張しました。
そこで榎本に話を聞く久利生ですが、古田が犯人だと確信している様子に違和感を感じます。
拘留期限がギリギリに迫ったところで、久利生は証拠不十分で不起訴とし、榎本はこれを不服として審査を申し立てます。
そんな中、榎本宛に脅迫状が届いたり、再び何者かに襲われる事件が起き、榎本はもみ合った時に、犯人の腕に傷跡があるのを確認します。
脅迫状についていた指紋は古田のものではありませんでした。
古田はすでに行方をくらましていましたが、久利生に電話をかけてきて、自分にはアリバイがあると主張します。
捜査を進めている途中、久利生に逮捕歴があると新聞に掲載されてしまい、久利生は担当から外れ、江上が引き継ぐことになりました。
鍋島は、久利生が17歳の時に友人をかばって、人を傷つけ起訴も覚悟で黙秘を貫いていましたが、必死に証拠を掴んで不起訴にした検事がいたと話し、励ましました。
しばらくして古田がビルの屋上から飛び降り自殺をします。
久利生は榎本に、もう一度現場検証に付き合って欲しいと頼み、熱心に説得する久利生に心を動かされ、榎本は古田が犯人ではないことを認めたのでした。
過去のことが新聞に取り上げられたことで、久利生は転属処分を言い渡されます。
久利生は、サッカー場の警備員・向坂が殺された事件で、被疑者の桐山について調べていましたが、10日後に、石垣支部への転属が決まっています。
限られた時間での取り調べにもかかわらず、桐山は黙秘していました。
また、久利生の処分を知った雨宮は「処分取り下げ」を牛丸にお願いします。
一方、向坂の息子・良太は久利生を訪ね、城西支部にやってきました。
父が死んだ理由を知りたい良太を親戚の家まで送っていくと、向坂の葬儀に500万円の香典が届いたことが発覚。
久利生の最後の担当事件に、城西支部のメンバーは全力で協力します。
有力な証言が得られずにいましたが、特捜が民自党の議員を追っていると言う情報が入りました。
久利生と雨宮が再びサッカー場へ向かい、調べますが当日の記録は残っていません。
ですが近くのコーヒーショップの店員が、若手議員・諸星が訪れていたことを覚えていました。
500万円の香典は、諸星が秘書に持たせたものだと分かり、諸星は向坂が自分を庇って亡くなったことも認めましたが、自分が議員として地位を掴むためには、今は証言出来ないと言います。
父を亡くした良太の気持ちを代弁し、久利生は諸星を説得しました。
諸星は久利生の言葉に心を動かされ、記者会見を行ったことにより、桐山も罪を認める証言をします。
諸星は良太に謝罪し、良太は事件を解決した久利生に「検事さんは僕のヒーローだ」と言いますが、久利生は「ヒーローはおまえのおやじだよ」と返します。
次の日、久利生がすでに部屋を出ていることに気付いた雨宮と城西支部のメンバーは、久利生の元へ駆けつけ、久利生は石垣支部に旅立ちました。
夏になり、海岸で泥棒の操作をする久利生、そこには歩いてくる雨宮の姿があったのでした。
初回2週間は、無料ですのでFODでHEROを見てしまいましょう!
まとめ
これまで木村拓哉さんのドラマはたくさんあり、いつだって日本人の憧れの的でした。
今回はドラマでは珍しく検事という職業にスポットを当て、物語が繰り広げられます。
この作品を通して、検事や検察事務官などのお仕事を知る機会を得た人はこの世の中にどのくらいいるのでしょう。
正義とは何か、真実とは何か、学歴なんて関係なく、事件にまっすぐ向き合う主人公にどっぷりと感情移入してしまいます。
また、脇を固める俳優陣も今では大御所の方ばかり。再放送があっても、何度となく見返してしまう、名作です。
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