地上最速のフラッシュは、亡き母と無実の罪を着せられた父を救うためタイムループし過去を改変するが、その行動が過去の歴史に歪みをもたらし、世界が破滅の危機にさらされる。
バットマンやスーパーマンなど数々のヒーローたちのヒット作を生み出してきたDC映画。
『ザ・フラッシュ』は、その最新作にして“最高傑作”と謳われるタイムループ・アドベンチャー超大作!
2023年6月に劇場公開された『ザ・フラッシュ』の予告は、こちら
タイムループした世界
科学捜査官バリー・アレンは、研究ラボにあった薬品を雷事故で全身に浴びてしまったことで、時速400キロの超高速で移動できる能力を得た。
そのスピード能力でフラッシュとして超能力を発揮し、病院と乳児の危機を救うなど活躍していた。
それは、幼いころに亡くした母と 無実の罪を着せられた父を救うために過去を改変することだ。
その世界にヒーローはいなかった
そして、アレンはバリーと母と父が家族3人で幸せに暮らす世界にたどり着く。
だが、その世界にはスーパーマンやワンダーウーマン、アクアマンは存在せず、闇のヒーローバットマンは現役を引退し、全くの別人になっていた。
さらに、かつてスーパーマンが倒したはずのゾッド将軍が大軍を率いて襲来し、地球植民地化を始めたことから、フラッシュは別人のバットマンやスーパーガールとともに世界を元に戻し、人々を救おうとする。
地上最速!ザ・フラッシュ登場
『ジャスティス・リーグ』(2017年)で正式に初登場したフラッシュことバリー・アレンは、母親を殺害した容疑を掛けられ服役中の父親の冤罪を証明したいというダークなバックボーンを抱えながらも、キャラクターはお茶目で少し天然タイプの男。
フラッシュは、第1作目「シャスティス・リーグ」の一員として壮絶な戦いを繰り広げる一方で、バットマンやスーパーマン、ワンダーウーマン、アクアマンなどの大人たちを お喋りと陽気なその行動で少しイラっとさせながらも愛される地上最速の好青年だ。
フラッシュって何者?
フラッシュとは早いイメージがある「閃光」という意味から命名し、胸に稲妻のエンブレムを冠し、地上最速のスーパーヒロ―・フラッシュとして活動を始めました。
深紅のスピードスター
「深紅のスピードスター」のニックネームを持つフラッシュは、その名のとおり真っ赤なコスチュームに身を包み、超高速で移動する能力を持ったヒーローだ。
フラッシュが着ている深紅のスーツは、超加速による摩擦から身を守る特別な強化服で『ジャスティス・リーグ』ではスペースシャトルと同じ素材が使われていると説明しています。
スーツは指輪の中に圧縮収納されており、ボタンを押すと絹分子が大気成分を吸収しスーツが広がる仕組みになっています。
タイム・トラベルも可能
彼のパワーの源は、別次元にある未知の運動エネルギー“スピードフォース”で、彼はこのエネルギーを操ることで、地上最速になれるのだ。
そのスピードは亜光速に達し、特殊相対性理論では「物体の速度が光速に近くなるほど物体の時間の進みは遅くなる」ことからタイム・トラベルも可能です。
また、全身の細胞を高速振動させてトランス状態にし、物体をすり抜けることもできるのだ。
歴史の改変
本作のテーマでもある「時間移動作品」には、過去の出来事の改変があります。
誰もが過去にやり直したい思いがあり、あの時の失敗を無くしてしまいたくなります。
過去に戻り、失敗の要因を修正したり削除すれば、良い方向に向いた現実となります。
ここで問題となるのが、歴史の改変によるタイムパラドックスによる矛盾が発生します。
タイムパラドックスの問題
過去にタイムスリップした一部のSF作品では、そういった様々な矛盾を解決するため、歴史を変えた瞬間に矛盾を取り消すため「現在」を変化するといった描写が見られます。
栄養補給をしないとすぐバテる!
フラッシュは、体の分子を高速振動させることで物質を通り抜けたりすることも可能だが、瞬間的に肉体を酷使するためエネルギー消費量もすさまじく、栄養補給をしないとすぐに空腹となり、バテてしまうという欠点も持っています。
スマートウォッチでエネルギーの稼働時間を管理しているのも今風で面白い!
TVドラマで初実写化
フラッシュが初めて本格的に実写化された作品が、90年代に米国で放送されたドラマシリーズ「超音速ヒーロー ザ・フラッシュ」で、ジョン・ウェズリー・シップがフラッシュを演じ、高速アクションが見せ場の1話完結のアクションドラマでした。
スーパーガールも登場
本作でフラッシュの特殊能力でタイムループした世界は、元の時空とは何もかもが変わってしまった世界で、強大な敵の侵攻にフラッシュは焦ってしまう。
さらに「カーラ」と名乗るスーパーマンのいとこ「スーパーガール」も立ち上がり最強ヒーローが迫力満点のアクションを繰り広げる。
ザ・フラッシュのキャスト
フラッシュことバリー・アレン役は、ヒーロー集結『ジャスティス・リーグ』から引き続きエズラ・ミラーが出演し、バットマンは1989年の『バットマン』と1992年の『バットマン リターンズ』を演じたマイケル・キートンが約30年ぶりに同役に復帰し出演しています。
また『マン・オブ・スティール』でスーパーマンの宿敵ゾッド将軍を演じたマイケル・シャノンも同役で再び登場。
スーパーガール役には本作が長編映画初出演となる、新鋭サッシャ・ガジェが抜擢され、初の黒髪スーパーガールを演じています。
鬼才アンディ・ムスキエティ
監督はホラー『IT/イット”それが見えたら、終わり』のアンディ・ムスキエティ。
ムスキエティ監督は『IT/イット』のホラー出身であることを忘れさせるほどライトでユーモラス、且つ饒舌な映像のリズムによって、このスーパー・ヒーロ―の持ち味を愉しく描いています。
また『ザ・フラッシュ』にムスキエティ監督が就任する以前の2017年には、ナント!『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのロバート・ゼメキス監督が本作の最有力候補に挙がっていたのでした。
10年を経て完成した悲願の一作!
本作は2014年の時点で製作が発表されていたものも、それからしばらくの間数々の監督と脚本家がプロジェクトに参入しては去っていったのでした。
その後、約10年の時を経て撮影が開始され、撮影終了時の2022年には親会社のワーナー・ブラザースがDCのヒーローたちを描いたDCユニバースの再編を決定しました。
それは新しい「DCスタジオ」のCEOに就任したジェームズ・ガンが、DCユニバースの新生計画を発表し、スーパーマンとスーパーガールをはじめとするバットマンやDCヒーローの新作映画の計画を発表したのです。
この時点で『ザ・フラッシュ』には、DCユニバースの「リセット・チャプター1」という重大なミッションが与えられた作品と位置づけられたのです。
2025年7月に米国公開予定の新作『スーパーマン:レガシー』の、スーパーマン役には、デビッド・コレンスウェットが決定したと報道されています。
ザ・フラッシュは、興行収入No.1の大ヒットスタート
本作は、初日3日間で全米で約5,500万ドルを突破し、興行収入全米No.1を記録!
また、日本でも3日間で動員13万8000人、興収2億1000万円のスマッシュヒットを記録し、Filmarks4.2点、Yahoo!映画レビューでも4.2点の高評価を獲得し、“フラッシュ旋風”を巻き起こしました。
マルチバースに迷い込む
本作はDCコミックスで描かれた名作エピソード「フラッシュポイント」をベースにしています・・・もう一つの並行して進む現実の世界「マルチバース」の物語。
バリー・アレンは幼少の頃、母親を何者かに殺され 父親が犯人として逮捕されるという悲劇にみまわれます。
コミックではバリーがス―パースピードで過去に遡り、母親の悲劇をくい止めようとします・・・それゆえタイムパラドックスを起こし、彼の知っている世界も変わってしまいます。
もう一人のバリー?
バリーはマルチバースの世界に迷いこんだため、過去の自分と会い 二人のバリーになる?
元の世界ではベン・アフレックが演じるバットマンがいたが、この世界ではマイケル・キートンが活躍する世界なのです。
そして、この世界にはスーパーマンがいなくて スーパーガールが存在するのです。
時空を超えてDCヒーローたちが集結!
セントラル・シティ警察の法医学捜査官となっていたバリー・アレンは、JLAのリーダーであるバットマンに呼び出され、フラッシュとして超能力を発揮して病院と乳児の危機を救うなど活躍していた。
彼の最大の悩みは、何者かによって母が殺害され、父親が犯人扱いで投獄されその無実を証明できずにいることだった。
それを解決するためには、時空をさかのぼって悲劇を回避する事だと考え、バリーは母の殺害日の前日へとタイムループする。
しかし殺人事件は防げたものの、時空を歪め時間軸不整合を起こしたことにより、別次元の世界へと送られてしまう。
そこで、バリーは 彼と母と父が家族3人で幸せに暮らす世界にたどり着く
そこには、性格が異なる18歳の自分がいた?
18歳のバリーに能力を得るように働きかけるが、その影響で自身の能力が消失してしまう、
さらに、その時代にはスーパーマンは存在せず、バットマンはまったくの別人になっていた。
その後、かつてスーパーマンが倒したはずの敵・ゾッド将軍が大軍勢を率いて襲来し、地球植民地化を始める。
フラッシュとバットマンはロシアに監禁されていたスーパーマンの従妹のカーラ・ゾ=エルを救出し、スーパーガールとしてゾッドと戦ってくれるよう仕向ける。
フラッシュは現役復帰したバットマンと、黒髪のスーパーガールとともに、世界を元に戻し人々を救おうとするが…。
見ごたえ十分!アクション&ヒューマンドラマ
過去と未来、時間軸が代わるとどうなるか?という超速タイムループ・アドベンチャー!
超人的なスピードによるアクション、電気エネルギーを応用した戦いなどがあり、そして危機の連続にハラハラする展開でみどころ満載!
特にタイトルロゴが表示されるとき、走る前のポーズで1回ロゴが表示されかけるが女の子に”ステキ~”と話しかけられて、タイトルロゴが一旦消える。
再び走る前のポーズに戻り、2回目でちゃんと表示される演出が良く、センス抜群!
そして、オープニングの高層ビルからの落下中に乳児を助けながら、電子レンジで食べ物を加熱するシーンはお笑いです。
本作では二人のバリーによるバディ・コメディが登場し、ユーモアも効いていて楽しい。
声音や性格を変えながら一人二役を見事に演じたE・ミラーの演技が、実に素晴らしい!
作品概要
製作国:アメリカ
監督:アンディ・ムスキエティ
上映時間:144分
劇場公開日:2023年6月16日
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