2018年9月に劇場公開された「コーヒーが冷めないうちに」の予告編動画は、こちら
昔に戻って、もう一度やり直したい。
おそらく多くの人が、このような願いを抱いたことがあるのではないでしょうか。
もし、過去に戻れるなら何をしますか?しかも、限られたごくわずかの時間だけ。
映画「コーヒーが冷めないうちに」では、タイムスリップできる喫茶店と、そこに集う人たちの人間模様が描かれています。そしてそこには、短いながらも濃密な人間模様がありました。
今回は、そんな映画「コーヒーが冷めないうちに」のみどころや、感想を書いていきます。
映画「コーヒーが冷めないうちに」の概要
映画「コーヒーが冷めないうちに」は、2018年に公開された日本の映画です。
監督は「アンナチュラル」などで知られる塚原あゆ子、主演は「ビリギャル」で高い評価を得た有村架純。
今作は、多様な人間ドラマが描かれることが特徴です。ゆっくり見ながら、作品の世界に浸ることができます。
映画「コーヒーが冷めないうちに」のあらすじ
ある町の小さなカフェ「フニクリフニクラ」には、不思議な都市伝説がありました。
そして、その話を聞きつけた人々は、席が空くのを待つため、足しげく通うのでした。
フニクリフニクラの話は真実です。しかし、過去に戻るためには幾つかのルールがありました。
- 過去に戻って何かをしても、現実は変わらない
- 過去の世界では、店から出ることはできない
- 過去に戻れるのは、カップに注がれたコーヒーが冷めきるまでの間だけ。冷める前に飲み干す必要がある
- その席の先客が席を立った場合にのみ、座ることができる
フニクリフニクラで働く数は、そんなルールを客に伝え、コーヒーを淹れる日々を送っていました。
そんな彼女に、新しい出会いが待っていました。
映画「コーヒーが冷めないうちに」のみどころ
「コーヒーが冷めないうちに」は、ファンタジー的でSFめいた設定を用いながらも、カフェを訪れる人々の人間模様を描いた作品となっています。
そして、描かれた人間模様の中でもリアリティがあり感動的なのが、松重豊と薬師丸ひろ子が演じる夫婦の話です。
簡単なあらすじを以下に書いていきます。
高木佳代(薬師丸ひろ子)は若年性認知症を患いながら、フニクリフニクラに足しげく通っていました。
時間になると房木康徳(松重豊)が迎えにきます。
しかし、佳代は房木と夫婦だったことを忘れてしまっていました。
そんな彼女がフニクリフニクラに通う理由は、昔に戻り、房木に渡せなかった手紙を渡すためでした。
若年性認知症(作中では「認知症」とだけ言われていますが、年齢的に若年性でしょう)を患う妻と、それに寄り添う夫。
その光景は映画としてありきたりではありますが、非常に丁寧な描写がなされています。
その丁寧な描写は見る人の感情移入を助けます。
もし、自分が夫だったら、妻だったら、と考えてしまうのです。
そして、彼らの姿は決して、非現実のものではありません。私たちの誰にでも、起こる可能性があるからです。
もし自分がその立場に立ったらどうするのか。
そうしたことを考えながら見るのがおすすめです。
映画「コーヒーが冷めないうちに」感想
温かい飲み物を飲んでいると、その冷めていくスピードの速さに驚かされます。
ましてや、ぬるい温度の飲み物であれば、そのスピードたるや、想像以上でしょう。
今作「コーヒーが冷めないうちに」で提供されるコーヒーは、かなりぬるいものとなっています。
それが冷めきるまでの間に限定された、ごく短時間のタイムスリップ。自分ならば何をしようかと考えながら鑑賞していました。
私には、過去に戻ってやり直したいことがいろいろあります。
しかし、作品のルールに則れば、過去で何をしようが現実は変わりません。
では、変えられるものとは何か。
それを教えてくれたのは、過去に戻れるコーヒーを淹れられる、本作の主人公である数でした。
彼女は特殊な能力を持ちながらも、自身の過去を正しく見ることができていなかったのです。
現実は変わらずとも、真実を知ることで、新しい視点で物事を見られる。
そして、新しい視点を持つことができれば、自身は大きく変わる。
これらは当たり前の事実ではありますが、なかなかできないことでもあります。
今現在も、すぐに過去のものとなります。
こうして文章を書いている時間も、次の瞬間には通り過ぎています。
一刻一刻を大切にしたい、と思う映画でした。
映画「コーヒーが冷めないうちに」のレビューを調べてみた
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読書記録 コーヒーが冷めないうちに この嘘がばれないうちに 思い出が消えないうちに さよならも言えないうちに やさしさを忘れないうちに
まとめ
映画「コーヒーが冷めないうちに」は、不思議で、温かい雰囲気を持つ素敵な作品です。
物語そのものは比較的単調ですが、見飽きることなく、安らいだ気持ちで鑑賞することができます。
過去に戻れる席と、過去に戻るためのコーヒー。
この設定そのものは現実的ではありませんが、中で描かれる人情劇はごく身近なもの。
見ている側も登場人物の気持ちに、思い当たる節があることでしょう。
ぜひ、温かいコーヒーを片手に鑑賞してみてください。
何か、視点を変えるきっかけとなるはずです。
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