1960年に劇場公開された「ベン・ハー」の予告編動画は、こちら
壮大な競技上で描かれる、映画史上最もスリリングな競争シーン! そしてイエスの奇跡。
ローマ帝国支配下のエルサレムに生まれたユダヤ人貴族の息子ベン・ハーの波乱に富んだ半生を、イエス・キリストの生涯と絡ませて描いた歴史スペクタクル。
ハリウッド史上 最高最大のスペクタクル
特に、1年以上かけて造られた壮大な競技場のセットで繰り広げられる戦車の競争シーンは、その凄まじいほどのスピード感に圧倒される・・・正に CG無しの比類なき迫力!
このシーンのリハーサルには4ケ月、撮影は3ケ月もかかったとされています。
危険な撮影で、出演者やスタッフ・馬にひどい被害がなかった事は幸いでした。
神の奇跡を知る
本作ではベン・ハーが死の場面に出くわした時、必ずと言っていいほど奇跡が現れます。
ベン・ハーは気がつきます・・・神は私を見ていて、神は私と共にいる と。
副題に「キリストの物語」ともあるように、主人公ジュダ・ベン・ハーの過酷な運命との格闘と、イエス・キリストの愛の物語が並行して展開していきます。
『ベン・ハー』は、単なるスペクタクル映画ではなく 復讐物語から魂の救済へと展開していく中で 心の問題をテーマにしているところに この映画の奥行きの深さが見て取れます。
史上最多!アカデミー賞11部門受賞
1959年の第32回アカデミー賞では、作品賞や監督賞・主演男優賞・助演男優賞・美術賞などをはじめとして史上最多11部門で受賞を獲得!
『ベン・ハー』は、映画史上輝かしい記録に残る作品であり、内容的にも真の人間愛と家族愛にあふれた不朽の名作です。
MGMの起死回生作品
この映画の原作は、1880年に出版されて世界的なベストセラーとなったルー・ウォーレスの小説『ベン・ハー』で、サイレント時代に2回(1907年、1925年)映画化されました。
1956年版・3回目となる巨匠ウィリアム・ワイラー監督による本作は、公開後全世界で8000万ドルという記録的な大ヒットとなり、当時はテレビの普及で経営難に陥っていた映画会社MGMは、この作品で一気に立て直す事ができました・・・正に、起死回生の作品!
昭和天皇と皇后様も鑑賞
1959年版の日本でのプレミア上映には、昭和天皇と皇后がわざわざ映画館まで足を運び、会場でご覧になるという日本で最初の映画となりました。
「ベン・ハー」のあらすじ
かつて親しい兄弟だったベン・ハーとメッサラが、ある出来事で敵対する。
ベン・ハーは奴隷にされるが、後に自由を得て復讐を計画する。
その間、彼の母と妹は病に苦しむ。
ベン・ハーは大きな戦車レースでメッサラと対決し、勝利する。
彼らの物語は、キリストの存在と交錯し、最終的には彼らの運命が神の手に委ねられる。
序章:ユダヤの貴族ベンハーの平和な日常
ユダヤ地方の緑豊かな都市エルサレムで、貴族として名高いユダ族の末裔ベンハーは、家族と共にゆとりある暮らしを営んでいた。
彼の生活は一族の繁栄と地位を背景に安泰と思われたが、この穏やかな日々は、思いもかけない事件によって一変するのであった。
激変:幼なじみメッサラの裏切り
権力を追求するローマの将校メッサラは、幼なじみのベンハーに対し友情を装って近づく。
しかし、政治的野心からローマに忠誠を誓うメッサラは、エルサレムで起こった一件の事故を口実に、ベンハーを裏切り、彼と一族を罠にはめる。
罪のない罪人:奴隷船での苦難
罪人として捕らえられたベンハーは奴隷船に送られ、過酷な労働に明け暮れる日々を強いられる。
人としての尊厳を奪われつつも、彼の心には自らと家族の名誉を取り戻すという強い意志が燃え続けていた。
海戦:命からがらの脱出
海戦の渦中で、奴隷としてこき使われていたベンハーは、戦闘の混乱を利用して脱出を図る。
彼の運命を変えるほどの勇気が命がけの逃走へとつながるのだった。
更なる試練と出会い
シェイクとの奇跡的な邂逅
ベンハーは砂漠をさまよう中で、富豪シェイクの一団と出会い助けられる。
シェイクのもとで再び力を蓄えるベンハーは新たな支援者を得たことにより、メッサラに復讐する計画を練り始める。
イースター族の支援と再起の兆し
シェイクとの関わりから、イースター族の豊かな支援を受ける機会に恵まれたベンハーは、本格的な復活への道を歩みだす。
ローマのチャリオットレース:復讐の機会
再会:メッサラとの対峙
エルサレムに戻ったベンハーは、チャリオット・レースに挑み、そこでかつての友メッサラと再会する。
この競技が、彼にとって復讐の場となるか否か、その瞬間が迫りつつあった。
熾烈:死闘を制するのは
レースは熾烈を極め、命懸けの勝負が展開される。
ベンハーは鍛えた技術と強靭な精神力を駆使し、勝利を目指す。
逆転:ベンハーの奇跡
劣勢の中からでも奇跡的な逆転劇を見せたベンハーは、最終的にはメッサラを打ち破り、名誉と自由を得る。
家族との再生
土地への帰還
チャリオット・レースに勝利したベンハーは、名誉回復とともに故郷の土地へ帰還する。
しかし、そこで待ち受けていたのは、忘れられない家族との再会だった。
悲劇:レプラ病と向き合う
家族との再会は喜びも束の間、彼らがレプラ病に侵されたことを知る。
愛する者達の苦難は、ベンハーの心をさらに苦悩させる。
希望:新たな奇跡が家族に
絶望の淵に立たされても、ベンハーは家族を見捨てず、新たな奇跡を願い続ける。
その希望は、やがて現実のものとなる。
深化する信仰
イエス・キリストとの出会い
ベンハーのもとにイエス・キリストとの出会いが訪れる。
イエスの教えは、彼の心に深い影響を与え、精神的な光をもたらしていく。
敗北と赦し:精神的転換
かつては復讐心に燃えていたベンハーだが、イエス・キリストとの出会いを経て、内面に大きな変化が生じる。
敵であるメッサラへの赦しという強い意志が、彼の心に芽生える。
ローマ帝国との関係
政治的影響力の行使
ベンハーの経験と影響力は、ローマ帝国内の政治にも波及する。
ローマの支配者たちとの熟慮された対話を通じて、ユダヤ人の地位改善に尽力する。
ユダヤ人としてのアイデンティティ
自身の人生を通して、ベンハーはユダヤ人としてのアイデンティティを再確認する。
彼の行動は、族民に対する新たな希望の象徴となる。
物語の高まりと結末
決断:ユダヤの反乱
時は流れ、ユダヤの反乱がひそかに進行する。
ベンハーは自らもまた決断を迫られるが、かつての苦悩と信仰が彼の選択を導く。
神の力:十字架の影響
イエス・キリストの十字架における最後の時が、ベンハーだけでなく、多くの人々に影響を及ぼす。
神の力とは何か、その真実が明らかになる。
和解と再生:エンディングへ
物語は和解と再生のメッセージを胸に、感動的なフィナーレを迎える。
ベンハーの過酷な道のりが、終わりに向けて彼と周囲の人々の人生に深い意味をもたらすのであった。
ユダヤの息子ベンハー:裏切りから赦しへの道のり
ベンハーの物語は裏切りに始まり、困難を乗り越えて赦しに至る壮大な旅である。彼の人生の歯車が狂いながらも、最終的には希望と救いを見出す、一人のユダヤの息子の物語がここに描かれている。
キャスト
ベン・ハーにチャールトン・ヘストン、宿敵メッサラにスティーブン・ボイド
他、ジャック・ホーキンス、ヒュー・グリフィス、ハイヤ・ハラリート等が出演。
主演のチャールトン・ヘストンは、まるで古代の彫刻のような逞しく頑強な肉体と彫りの深い顔立ちが、主人公ベン・ハーのイメージそのもので、容姿を生かしたダイナミックな演技力は圧倒的な存在感を示しています。
チャールトン・ヘストン主演のSF映画『猿の惑星』もオススメ!
監督は、名作『ローマの休日』で知られる 巨匠ウィリアム・ワイラー。
ワイラー監督の奥深いドラマを丁寧に描いた演出は全ての場面で美しく、威厳を感じさせます。
古さなんて感じない・・・文句なしの名作!
60年以上前の作品だが、今観ても、全く古さを感じない!
3時間42分という長時間ながら、退屈さは全くない!
名作は長い年月が立とうとも、腐らないのです!
この映画の最大の見せ場である、海賊船がローマの軍艦を襲うガレー船の海戦シーンなど多くの名シーンがありますが、最大の見どころは宿敵メッサラとの競技場での戦車競走シーンが迫力満点!
ベン・ハーの乗る4頭の白い馬の名前には、☆アンタレス ☆リゲル ☆アルタイル ☆シリウスと星の名前がついていて、素敵!
そして感動的なラストシーン
神の奇跡で、らい病に侵されていた母と妹の病は治り、二人を抱きしめながら天を仰ぎ見る。
十字架の奇跡! ハレルヤ・・・心も 晴れるや 涙あふれる最高のラストシーンです。
作品情報
製作国:アメリカ
監督:ウィリアム・ワイラー
上映時間:222分
日本公開日:1960年4月1日
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