この記事は、スタンリー・キューブリック監督による1971年の映画『時計じかけのオレンジ』について紹介しています。
映画は、近未来のイギリス・ロンドンを舞台に、暴力と性に耽るティーンエイジャー、アレックス・デラージの物語を描いています。
映画は、アレックスの暴力的かつ反社会的な行動と、彼の更生を試みる独特な方法に重点を置いており、その過激な内容と社会風刺が特徴です。
映画は公開時に大きな反響と論議を引き起こし、現在でも議論の的となっています。
1972年に劇場公開された『時計じかけのオレンジ』の予告編動画は、こちら
舞台は近未来のイギリス・ロンドン・・・主人公アレックスが繰り広げるのは暴力とセックス、歯止めのきかない残酷な行為など、思わず目を背くたくなるようなものばかり。
『時計じかけのオレンジ』は、鬼才スタンリー・キューブリック監督の傑作SFで完全に管理された未来社会でエネルギーをもてあますティーン・エイジャーの暴力を風刺的に描く。
近未来のイギリス
近未来のロンドンは治安が悪く、若者の暴力と性犯罪、そしてギャングが溢れていた。
15歳の少年 アレックス・デラージは暴力や非行に明け暮れて、不良グループのリーダーとして毎晩のように残酷な行為を繰り返していた。
ベートーヴェンを愛する狂気の男
アレックスの行動は2つ・・・暴力と強姦行為。
夜な夜なホームレスをボコボコにし、そして強姦行為・・・その後家に帰って愛するベートーヴェンの交響曲第9番を聴いて眠りにつく。
更生という名の「拷問」
そんな毎日を過ごしていたある日、不良仲間たちで「リーダーに相応しいのは誰か」を巡って口論になる。
その後強盗に向かった先に居合わせた女性に対し、アレックスはむしゃくしゃした気持ちをぶつけてしまった。
軽い気持ちのつもりだったが、女性はオブジェを思い切りぶつけられ死んでしまう。
逮捕されたアレックス・・・そこで彼を待っていたのは「更生」という名の「拷問」だった。
『時計じかけのオレンジ』は露骨な性描写、暴力表現によりアメリカ合衆国カトリック司教協議会の映画審査部門は倫理評定をC(condemned・有害)として鑑賞を禁じた作品。
公開時には大きな反響と論議が発生!
『時計じかけのオレンジ』の原作は、イギリスの小説家アンソニー・バージェスが1962年に発表した小説で、映画化した1971 年公開当時に大きな反響と論議を巻き起こしました。
論議は、第一に劇中で描かれる暴力描写がきわめて鮮烈であったことと、第二にそのような暴力を行う登場人物を矯正するために行われる心理療法が、個人の人格を変えてしまう洗脳と全体主義社会の恐怖として象徴的に描かれていたことでした。
狂気の男は生ける屍になった!?
特に二つ目の主題である、暴力的であった主人公アレックスが受けさせられる「ルドヴィゴ療法」は薬物を射たれ 椅子に固定された状態で映像を見ることを強制されるというものであり同時代の人々にだけではなくその後の映像表現にも影響を与えるものとなりました。
ルドヴィコ療法によって更生した彼は、暴力性を失い生ける屍のようになってしまう。
カリスマ俳優と鬼才監督
アレックスを演じたのはイギリス人俳優のマルコム・マクダウェルで、彼の演技力が話題となり作品のヒットと共に、カリスマ的存在として世界にその名を知らしめました。
本作を監督したスタンリー・キューブリックは、商業性が重視されるハリウッドの映画監督でありながら、『2001年宇宙の旅』、『シャイニング』など、多様なジャンルで芸術性の高い革新的な映画を作り、映画史における最も偉大で影響力のある映画製作者の一人として言及されています。
さらに第44回アカデミー賞や、第29回ゴールデングローブ賞などの名だたる賞レースにノミネートされ、監督賞や作品賞など輝かしい成績を残したのです!
『時計じかけのオレンジ』あらすじ
近未来のロンドン・・・15歳の少年アレックス・デラージは、仲間たちと共に暴力とセックスに明け暮れる日々を送っていた。
自宅の部屋には卑猥な女性の絵を飾っていたり、引き出しで蛇を飼育したりしていた。
ベートーヴェンの交響曲第9番を好んでおり、1日の終わりには必ずその日の出来事を思い出しながら音楽を楽しんでいた。
そんな中、彼はある殺人事件をきっかけに逮捕されてしまい、残忍な人格を矯正するという名目の奇妙な治療法の被験者となる・・・そして、その実験後に彼は・・・。
時計じかけのオレンジに関するグッズ
1971年に公開された映画「時計じかけのオレンジ」に関するグッズは、さまざまな種類が販売されています。
その中でも、特に人気が高いのは、以下の4つです。
時計じかけのオレンジ tシャツ
「時計じかけのオレンジ」の象徴とも言える、アレックスの白いスーツと帽子をモチーフにしたtシャツは、ファン必携のアイテムです。
映画のタイトルや、アレックスの口癖である「ビィーチ」などの文字が入ったデザインも人気があります。
時計じかけのオレンジ 本 電子書籍
映画の原作となった、アントニー・バージェスの同名小説も、多くのファンに愛されています。
小説には、映画では描かれなかったアレックスの心理描写や、社会への鋭い批評が含まれています。
また、近年では電子書籍の人気も高まっており、通勤や通学などのスキマ時間に手軽に読むことができます。
時計じかけのオレンジ ポスター
映画のワンシーンを切り取ったポスターは、部屋のインテリアとして人気があります。
アレックスの姿や、映画のタイトルロゴなど、さまざまなデザインが販売されています。
時計じかけのオレンジ その他のグッズ
そのほかにも、マグカップ、キーホルダー、ぬいぐるみなど、さまざまな「時計じかけのオレンジ」グッズが販売されています。
自分好みのグッズを見つけて、映画や小説の世界観を身近に感じてみてはいかがでしょうか。
キャスト
マルコム・マクダウェル、エイドリアン・コリ、パトリック・マギー、ウォーレン・クラーク、ジョン・クライブ、マイケル・ベイツ、ミリアム・カーリンなどが出演。
「時計じかけのオレンジ」の意味
元々の意味は、ロンドン東部の労働者階級が使っていたスラング(俗語)で”表面上はマトモに見えるが、その中身はかなりヘン”という意味のようです・・・まるでアレックスの様。
オレンジはマレー語が由来で「人」を表しており、『時計じかけのオレンジ』というタイトルには「時計じかけの人」という意味が込められており、時が経過するごとに狂気の男・アレックスが追い詰められていくことを表しているのかもしれません。
作品概要
製作国:イギリス
上映時間:137分
劇場公開日:1972年4月29日
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