2022年に劇場公開された『グリーン・ナイト』の横後編動画は、こちら
クリスマスの日 怠惰な日々を送るアーサー王の甥は、異様な風貌の「緑の騎士」から
”遊び事”と称した恐ろしい首切りゲームを提案される・・・その日から試練の日々が始まった。
『グリーン・ナイト』は、斬新な映像と奇妙な冒険が綾なすダーク・ファンタジー!
恐ろしいゲームの始まり
アーサー王はローマ皇帝を倒し、全ヨーロッパの王となった伝説的な英雄。
英雄アーサー王の甥であるサー・ガヴェインは、人々に語られる英雄譚もなく、ただ空虚で怠惰な日々を送っていた。
クリスマスの日 彼の前に異様な風貌の「緑の騎士」が現れ ”遊び事”と称した恐ろしい首切りゲームを提案される・・・すべては、首切りゲームから始まった!
恐ろしい首切りゲーム! その挑発に乗ったガヴェインは彼の首を一振りで斬り落とす。
しかし緑の騎士は、転がる首を自身で拾い上げるとガヴェインにあるメッセージを言い残し馬で走り去るのだった・・・それは彼にとって、呪いと厳しい試練への旅の始まりとなった。
美しくも壮大なダーク・ファンタジー
ガヴェインは緑の騎士との約束を果たすべく、未知なる世界へと旅立ってゆく。
その旅は、生きている者 死んでいる者、そして人間ですらない者たちが次々と現れ、彼を緑の騎士のもとへと導いてゆくのだった・・・奇妙な冒険が始まる。
極限の映像美!
一人の青年の野望と挫折、愛と欲望の物語を描いた『グリーン・ナイト』は、”魔法にかけられたように美しい!”と 世界中の評論家や観客から絶賛を浴びました。
正式な騎士ではないアーサー王の甥が、奇妙な冒険を通して成長していく様を描く作品。
人気のあるアーサー王伝説
アーサー王物語は中世ヨーロッパが舞台の昔話で、5~6世紀にかけてイギリスに実在した英雄といわれています。
物語の中で、魔法使いや妖精、モンスターなどファンタジー要素もふんだんに盛り込まれたアーサー王の伝説は、後世の作家にも大きな影響を与えています。
アーサー王の物語の側近として登場するのが「円卓の騎士」で、アーサー王に仕える選ばれた騎士たちのことで、強い忠誠と気高き騎士道精神を誓った戦士です。
円卓の騎士を描いた映画
アーサー王や円卓の騎士については、いままで数々の映画で取り上げられていますが「円卓の騎士」の中で、サー・ガウェインは「礼節の権化」といわれ、最も騎士道精神を重んじる高潔な人物です。
ジョン・ブアマン監督の英雄伝説『エクスカリバー』(1981)で、ガウェインを演じたのは、若き日のリーアム・ニーソンで、アーサー王と円卓の騎士の物語を 迫力あふれる見事なスペクタクルで再現しています。
騎士ガウェインの物語
『グリーン・ナイト』は、アーサー王伝説の中で、本作は円卓の騎士ガウェインにスポットをあてたJ・R・R・トールキンの『サー・ガウェインと緑の騎士』をベースにしています。
もともとは作者不詳の叙事詩であったものを、『指輪物語』の作者で言語学者でもあるトールキンが現代英語に翻訳し、円卓の騎士の物語としてまとめあげました。
A24が映画化!
その物語を『ミッドサマー』(2019年)や、『ライトハウス』(2019年)など、エッジの効いたホラーやスリラー映画を送り出した気鋭の映画製作会社「A24」が映画化。
『グリーン・ナイト』あらすじ
クリスマスの夜・・・円卓の間で酒を飲み始めたガウェインはアーサー王に呼ばれ、となりに座って武勇伝を話すよう請われます。
しかし、まだ騎士ですらないガウェインに話すことなどなにもありません。
すると突然 その宴の最中にヒイラギを持った「緑の騎士」が現れた。
アーサー王やその親族たちの集まる場で、緑の騎士は“首切りゲーム”を持ちかけます。
“ゲームをしよう。我こそはという騎士は進み出て武器を取り、名誉をもってわしに一撃を加えろ。傷を与える者にこの戦斧を進呈しよう。だがその者は誓わねばならぬ”
その挑発にのった若きガウェインは騎士の首を斬り落としますが、騎士はその首を持ち上げると“1年後のクリスマスに私を捜し出し、ひざまづいて私からの一撃を受けるのだ”と言って去ってしまいます。
ガヴェインは緑の騎士との約束を果たすべく、未知なる世界へと旅立ってゆくのだった。
それは彼にとって、呪いと厳しい試練への旅の始まりとなった。
キャスト
デヴ・パテル、アリシア・ヴィキャンデル、ショーン・ハリス、ケイト・ディッキー、ジョエル・エドガートン、サリタ・チョウドリー、バリー・コーガン、ラルフ・アイネソンなどが出演。
ダークでパーソナルな寓話
本作は非説明的で、静かに淡々と物語が進んで行き、人は最後の最後で正しくあれるかどうかで決まるという作品。
本筋としては、ものすごくダメダメな息子のざまを見かねた母親が「愛の鞭で」で厳しい試練に旅出させて立派な騎士にさせようとする物語・・・「緑の騎士」も母親が召喚!?
大事なのは 自堕落でニート的だったガヴェインが、遂に「騎士道として正しい行動」をとれたということです。
エンドクレジット後に、女の子が王冠を被ってみせる ささやかなオチが実に印象的。
作品概要
製作国:アメリカ・カナダ・アイルランド合作
監督:デヴィッド・ロウリー
上映時間:130分
劇場公開日:2022年11月25日
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