2022年に劇場公開された『ラーゲリより愛を込めて』の予告編動画は、こちら
第二次世界大戦終了後・・・約60万人の日本人が、シベリアのラーゲリに不当に抑留された。
そんな厳冬のシベリアでも家族を想い、仲間を想い希望を胸に懸命に生きる男が実在した。
『ラーゲリより愛を込めて』は、運命に翻弄されながら再会を願い続けた男女の11年に及ぶ愛を描いた実話。
第二次世界大戦終了後、零下40度を超える厳冬のシベリアに 強制収容所・ラーゲリがあつた・・・そこには、約60万人の日本人が不当に抑留されていた。
あまりにも過酷な状況に、誰もが絶望の日々を送っていた。
だがそんな状況下において、ただ一人生きることへの希望を捨てなかった男がいた!
希望を捨てなかった人物・・・その男は、山本幡男(やまもと はたお)。
ラーゲリでの劣悪な環境により、栄養失調で死に逝く者や抑留者同士の争いも絶えない中、山本は生きることへの希望を強く訴え続け、仲間たちを励まし続けた。
帰国の日は必ずやって来る! その力強い信念で、山本は多くの抑留者たちの心に希望の灯を灯し続けたのです!
11年に及ぶ愛の実話
そして、そんな時代に翻弄されながらも 愛する夫を信じて山本幡男の妻・山本モミジと4人の子供たちが、彼の帰国をひたすら待ち続けていた。
抑留から8年が経ったある日、山本に妻からのハガキが届き、そのハガキには”あなたの帰りを待っています”と書かれていた・・・その頃には、彼の体は病魔に侵されていた。
映画『ラーゲリより愛を込めて』は、11年に及ぶ夫婦の愛と 戦後の強制収容所・ラーゲリで人々が起こした奇跡が描かれる感動の実話です。
シベリア抑留と強制労働
第二次世界大戦の終戦後は、武装解除され投降した日本軍捕虜や民間人らが、ソビエト連邦によって、シベリアなどへ労働力として連行され、鉄道建設・炭坑・鉱山労働・土木建築・農作業など長期にわたる抑留生活と、奴隷的強制労働により多数の人的被害を生じました。
ラーゲリはシベリアの極東にある通年の強制収容所で、多数の捕虜や政治犯が収容所に送り込まれ、過酷な強制労働に従事させられたのです。
実話を基にした『ラーゲリより愛をこめて』
『ラーゲより愛をこめて』の原作
物語の中心人物、山本幡多男は実際に存在した人物で、シベリアの収容所で捕虜生活を送っていましたが、45歳で病に倒れ収容所で亡くなります。
山本は、独学でロシア語を学び、通訳として活躍するまでになりましたが、戦後は戦犯としてシベリアへ送られ、厳しい労働を強いられます。
彼は、母親、妻モミジ、そして子供たちに宛てた4通の遺書を残しました。
これらの遺書は、収容所内の仲間6人によって、前代未聞の方法で日本に持ち帰られ、彼の家族に届けられました。
主人公山本幡多男の生涯を二宮和也が、彼の妻モミジを北川景子が熱演。
深い感情を描く『ラーゲリからの深い愛』は、ソビエト連邦のラーゲリ収容所を舞台にした真実に基づく物語です。
この作品は、苦難、友情、愛といった普遍的なテーマを通じて、人間の尊厳と精神の不屈を描き出しています。
作者は、収容所生活を体験した人々の記録に基づいて、この物語を執筆しました。
絶望の中でも芽生える希望、静かな反抗、そして互いに向ける無償の愛を通じて、人間の心理を深く描き出しています。
読者は、極限状態での人間の心理を通じて、深い思索を促されます。
この物語は、人間の精神力と困難に対する勇気について語り、多くの人々に影響を与えています。
ラーゲリの収容所の実態と、そこから生まれる絆
ラーゲリは、ソビエト連邦時代の強制収容所で、政治犯や戦争捕虜が抑留されていました。
この物語は、過酷な自然環境と非人道的な扱いの中で、囚人たちがどう生き抜いたかをリアルに描いています。
しかし、この厳しい環境でも、人間としての温かさを保つことの重要性が強調されています。
囚人たちは、支え合い、時には命をかけて他者を救おうとします。
彼らの間に生まれた強い結びつきは、読者に深い感銘を与えます。
この物語は、収容所という極限状況の中での人間関係の深さと複雑さを浮き彫りにし、愛と人生の意味について深く問いかけます。
『ラーゲリより愛を込めて』あらすじ
1945年・第2次世界大戦が終結した。
シベリアの強制収容所・ラーゲリでは、ソ連軍の捕虜となった山本幡男ら、多くの日本軍兵士たちが収容されていた。
極寒と飢え、重労働の過酷な収容所で、力尽きる者や絶望して自ら死ににいく者、仲間同士の争いも絶えない。
わずかな食料しか与えられず、零下40度という過酷な状況下で重労働を強いられる彼らに、山本は「生きる希望を捨ててはいけません!帰国の日は必ずやって来ます」と、帰国の日を信じて仲間を励まし続けた。
捕虜たちは、山本の信念と仲間を思う行動に勇気づけられ、その心を次第に溶かしていく。
8年後、山本のもとへ妻からのはがきが届き、帰国の日は近いと感じる山本だったが山本の体は病魔に冒され、余命3ヶ月の宣告を受けてしまうのだった。
山本は自分の死を覚悟し、家族への想いを込めた遺書を書き上げる。
仲間に託されたその遺書は、帰国の時まで大切に保管されるはずだった。
ところが、ラーゲリ内では、文字を残すことはスパイ行為とみなされ、山本の遺書は無残にも没収されてしまう。
死が迫る山本の願いを叶えようと、仲間たちは驚くべき行動に出た・・・。
キャスト
二宮和也・北川景子、松坂桃季、中島健人、桐谷健太、安田顕、寺尾聰、奥野瑛太、市毛良枝、金井勇太、中島歩などが出演。
ああ無常・・・
史原作小説によるとラーゲリ内の病室で亡くなった山本は、他の抑留者たちは作業中であったことから、彼は仲間たちの誰にも看取られることなく息を引き取ったとされています。
多くの者に生きる力を与え続けていた山本に対して、あまりにも無常な仕打ちと言えます・・・死ぬときは誰もが独りなのです。
犬も実話!
ラーゲリ内で飼われていた黒毛の犬・クロは 抑留者の癒しの存在であり、 クロが船で帰国する日本人を追って氷海に飛び込み、共に帰国したエピソードも実話だったのです。
犬のクロもまた、ラーゲリの抑留者たちにとっては《仲間》であったといえますネ!
作品概要
製作国:日本
監督:瀬々敬久
上映時間:133分
劇場公開日:2022年12月9日
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