一発の核ミサイルでアメリカとソ連は、全面核戦争の危機を迎える。
そして核ミサイルの発射を巡って、艦長と副艦長は対立した!
スリル満点の潜水艦映画
『眼下の敵』(1957)、『深く静かに潜航せよ』(1958)、『レッド・オクトーバーを追え!』(1990)など、潜水艦映画には手に汗握るスリル満点の傑作があります。
闇の海中と密室の空間のなかで、見えざる敵との攻防戦や艦内での複雑な人間模様などが描かれ、潜水艦内部のメカニズムも知る事が出来ます。
『クリムゾン・タイド』は、ロシアからの核攻撃から国を守るために戦う男たちを描いた作品で、核ミサイルの発射を巡って艦長と副艦長が対立する白熱の人間ドラマ。
本作では原潜内での核ミサイル発射手順の細部な描写もあり、発射には3人の士官の全員一致の承認が必要であり、究極の破壊力の行使を巡る緊迫したドラマが展開される。
現実に起こったキューバ危機
キューバ危機は、1962年の秋にかけて起こった米ソ間に生じた危機で、旧ソ連がキューバと極秘裏に軍事協定を結び、キューバに攻撃用核ミサイル基地を建設している事が発覚!
アメリカは即!戦艦で海上封鎖し、米ソの緊張が高まり核戦争寸前まで達した重大事件。
本作は、キューバ危機中に現実に起こったソ連潜水艦副長 ヴァシリー・アルヒーポフのエピソードをモチーフとしており、アルヒーポフはアメリカ海軍への核魚雷発射に反対し、魚雷発射を防いだのです!
発射に必要な3人の士官の承認に、唯一反対した。
『クリムゾン・タイド』のあらすじ
核ミサイルは 発射されるのか!?
ロシアの過激な国粋主義者が、シベリアの核ミサイル基地を占拠した。
日米が核攻撃の危機にさらされ、米海軍の原潜アラバマに出撃命令が下った。
歴戦の勇士フランク・ラムジー艦長と、ハーバード大卒のロン・ハンター副官は、核に対する思想で真っ向から対立する。
目的海域に達し、敵潜水艦の影を捉えたアラバマは臨戦体制に突入する。
しかしペンタゴンからの通信が入ったその時、敵の魚雷が艦をかすめて爆発!
通信は途中で途切れ、ミサイルの発射か中止か、はっきりしない?
即時攻撃を主張するラムジーに対し、ハンターは命令の再確認を求める。
艦内に異常な緊張が張り、艦長側か副官側につくか、乗組員たちも激しく揺れる。
対立した二人と乗組員たちとの間で小競り合いが発生し、ラムジーが銃を取る。
ラムジーの銃口がハンターに向けられた時、通信が回復し再確認のため、3分間の猶予を与えた・・・その命令とは?
果たして核戦争の危機は回避されるのか!
『クリムゾン・タイド』のキャスト
作戦を強行しようとする艦長にG・ハックマン、そして確固たる信念のもと艦長と対立する副官をD・ワシントンが演じます。
他に、若き日のヴィゴ・モーテンセン、ジョージ・ズンザ、ジェームズ・ガンドルフィー二、マット・クレイヴン、ライアン・フィリップ、ダニー・ヌッチなどが共演。
『クリムゾン タイド』の意味は?
映画のタイトルにもなっている『クリムゾンタイド』とは、直訳だと「深紅の潮流」。
Crimsonが、「真紅」(しんく)・深赤・・・真っ赤の意味を指します
Tideは、「潮」(しお)・・・潮・潮の流れを意味します
潜水艦と同じ名を持つアラバマ大学のフットボールチームの愛称の事を指しているそうです。
『クリムゾン・タイド』のみどころポイント
核戦争の危機に直面した状況をスリリングに描き出し、我々が知り得ない場所で、現実に起こりうる核戦争の可能性がリアルに描かれゾッとする。
極限状況の中で、規則の遵守か状況に応じた判断か、選択を迫られる緊迫感が見どころ。
作品情報
製作国:アメリカ
監督:トニー・スコット
上映時間:116分
劇場公開日:1995年10月10日
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