2013年に劇場公開された『鑑定士と顔のない依頼人』の予告編動画は、こちら
一流オークション鑑定士に、新たな美術品の鑑定の依頼が入った。
その依頼人は、人と会うのが怖くて 屋敷に閉じこもっている「広場恐怖症」の女。
そして ”金の亡者”的な天才鑑定士は、欲望と憎しみの罠にハマっていく・・・。
『鑑定士と顔のない依頼人』は、ラストで大どんでん返しに見舞われる傑作ミステリー!
散りばめられた刺激的な謎
推理小説ならではの表現として「叙述トリック」という技法があります。
それは、一部の情報をさりげなく伏せて描写することで、読者の思い込みを誘導して真実を欺き「無意識のイメージづけ」をしながら人を騙すという演出。
『鑑定士と顔のない依頼人』は、推理小説の叙述トリックみたいな謎を随所に散りばめたミステリーが描かれ・・・そして、ラストでは目まいを起こすほどの”衝撃”に飲み込まれる!
本作はあらゆる場面がおしゃれで映像美が素敵!絶妙に生暖かいラブロマンスと、文学的ミステリーの雰囲気に心地よさを感じさせておきながら 無慈悲な結末を用意している。
そもそも『鑑定士と顔のない依頼人』というタイトル自体が・・・最大の叙述トリック!
この大前提を信じ込ませて、ストーリーを進めていくのです。
表の顔と裏の顔を持つ鑑定士
本作の主人公ヴァージルは「天才的な審美眼を誇る美術鑑定士」という表の顔と、「モテなくて 孤独で奇妙な趣味をもった男」という裏の顔を持っている。
更には、落札者を装った画家崩れの友人とタッグを組んで、美術品の真価を公表せずに価格を操作し、それらを安値で落札し転売で儲けるという “金の亡者”の一面も持っている。
また、彼の秘蔵コレクションルームには その手口で手に入れた「女性の肖像画」が壁一面に飾られ、絵画の女性たちが彼の唯一の恋人なのです…でも彼の恋人たちは いずれ?
監督と音楽はアカデミー賞受賞の伝説コンビ
イタリア映画『ニュー・シネマ・パラダイス』は、映画愛に満ちた内容が評判となり、日本国内では単館で40週に及ぶロングランを記録した作品。
異例の大ヒットを記録
その熱狂はヨーロッパ全土へ広がり、さらに日本でもミニシアターランキング8週連続第1位を獲得するなど、映画ファンだけでなく様々な人々を惹き付けて異例の大ヒットを記録しミステリーの傑作ムービーとなりました。
ため息の出るような絵画の数々
美術オークションが舞台となる本作では、ため息の出るような骨董品や名画の数々を存分に見せてくれる・・・特にルノワールやボッカチーノ、モディリアーニなどの実在の名画たちは、この映画の大きな見所のひとつであり、“彼女たち”が一堂に会する場面は圧巻です。
映画『鑑定士と顔のない依頼人』のあらすじ
物語の始まりは、ある鑑定依頼から?
その鑑定を引き受けたのは、天才的鑑定眼をもち、世界中の美術品を仕切る一流鑑定士にして、オークショニアのヴァージル・オールドマン。
その依頼は、資産家の両親が亡くなり、屋敷に遺された絵画や家具を査定してほしいという若い女性からの、ごくありふれた依頼だった。
さっそく屋敷で査定を始めるが、依頼主は決して姿を見せようとしない?
ヴァージルは彼女に不信感を抱くが、屋敷の床にもしそれが本物ならとてつもなく価値のある美術品の“一部”を見つけ、手を引けなくなる。
そして いつの間にか相手のペースに乗せられ、顔を一切出さない若き女性クレアの財産目録を作り始める…さらに、彼女と会いたいという思いが渇望していく。
やがて、ヴァージルは彼女が屋敷の隠し部屋で暮らしていることを突き止めた!
決して部屋から出てこない彼女と壁ごしのやり取りを重ね、我慢できずに姿を覗き見たヴァージルは、美しいその姿にどうしようもなく惹かれていく・・・そして彼女と恋仲になる。
ところがある日、彼女が忽然と姿を消した!
そして物語は思いも寄らない結末へと向かっていき・・・彼の秘蔵部屋の恋人達は全て!?
極上の謎と衝撃のラスト
本作は、巧みなストーリー構成と緻密に張り巡らされた伏線の美しさが光る一作。
そして音楽、街の雰囲気、生暖かい愛の物語もあり 全てがしっとりとしていて心地よい。
なのに!ラストでは頭から冷水をかけられたような気分にさせられる…まさに これぞ美しくも切ない極上のミステリー!
安心したと思ったら大間違い! 衝撃的なラストの演出が好きな人には 必見の映画 !
キャスト
ジェフリー・ラッシュ、ジム・スタージェス、シルヴィア・フークス、ドナルド・サザーランド、ダーモット・クロウリー、キルナ・スタメルなどが出演。
作品情報
製作国:イギリス
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
上映時間:131分
日本公開日:2013年12月13日
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