2011年に劇場公開された「ラスト・ターゲット」の予告編動画は、こちら
長年の裏稼業から引退を決意した殺し屋は、最後の仕事として イタリアの小さな村へとやってくる・・・しかし、そこにも彼の命を狙うワナが仕掛けられていた。
予測不能のサスペンス!
その殺し屋は、スェーデンの森の中で 何者かに狙撃される! 間一髪で命拾いした男はイタリアの田舎町に移動した・・・しかし、そこにも予測不能のワナが仕掛けられていた。
『ラスト・ターゲット』は、長年孤高の暗殺者として裏街道を歩いてきた男が 引退を決意して臨んだ最後の仕事に張り巡らされた恐るべきワナを、サスペンスフルに描き出す!
知り過ぎた殺し屋も 殺し屋に狙われる!
これまで闇の組織に雇われた殺し屋映画では、数々の困難な殺しを成功したにも関わらず、秘密を知り過ぎた故に、組織からも消されるパターンが多くあります。
また、長い間の裏稼業から足を洗うため引退を決意した殺し屋も、用済みの証拠隠滅を図るため、組織からの殺し屋から狙わる映画も数多くありました。
隠居して静かに暮らそうと思っても、これまで関わってきた闇組織がそう簡単に許してくれるわけもなく・・・いつのまにか自分が殺しのラスト・ターゲットにされてしまうのデス。
『ラスト・ターゲット』も、そんな引退を決意した殺し屋の顛末が描かれるサスペンス!
ひたすら渋~い!ジョージ・クルーニー
引退を決意した殺し屋を『マイレージ・マイライフ』(2010年)のジョージ・クルーニーが演じ、今回は持ち前のチャーミングさを封印し、背中に蝶のタトゥーを持つ寡黙な殺し屋をひたすら 渋く シブ~く熱演しています・・・さすがミスターバタフライ!
原作は一風変わった大人のミステリー!
マーティン・ブースの小説「暗闇の蝶」は、イタリア中部の小さな田舎町を舞台としたミステリーで、主人公は 表向きは蝶を描くために引っ越ししてきた画家である。
しかし、彼の本職は裏社会から高い技術で信頼を得ているカスタム銃つくりの職人で、プロフェッショナルの暗殺者からの依頼を受け、用途に合った銃や弾を調整したり製作して、命中精度を上げたりしているガン職人。
物語は、イタリアの田舎町で過ごす主人公の暮らしぶりが一人称で語られ、ハードボイルドぽいっのに派手なアクションもなく、ミステリーとしては かなり変わったタイプの内容。
原作とは異なり、映画『ラスト・ターゲット』のサブタイトルは ”その男の正体は、闇の世界の罪人”となり、狙撃銃を構えた殺しのプロを彷彿とさせるイメージがなされている。
「ラスト・ターゲット」のあらすじ
狙撃された殺し屋!
プロの暗殺者であるジャックは、潜伏先のスウェーデンの森の一軒家で、女性と一夜を過ごしていたが、翌朝白銀の世界で何者かに狙撃される。
間一髪で命拾いした彼は、狙撃手と連れの女性を同時に撃ち抜いた。
ジャックはイタリア・ローマに移動し、組織の連絡係パヴェルに自分が突如襲われた理由について問いただすが、新たな潜伏先としてイタリアの田舎町に行くよう指示される。
穏やかな田舎町での生活は、ジャックに安らぎを与えてくれた。
ある日、パヴェルの指示でマチルダという女性に会ったジャックは、暗殺用の特注ライフルの製作を依頼される。
殺し屋のジャックは、殺しだけでなく 銃のカスタムもできる凄腕だ。
そんな中、ジャックは馴染みの売春宿の娼婦クララと出会い、彼女の明るい表情に魅かれたジャックは、クララとその後も何度かデートを重ねる。
そして、ジャックは暗殺者としての人生と決別し、クララと共に普通に生きて行く道を望むようになる。
今回を最後の仕事と決めたジャックは、パヴェルに電話で銃の完成と裏稼業から足を洗う事を伝える・・・受話器を置いた後、パヴェルは女殺し屋・マチルダに連絡した。
そして、ジャックは雇い主から自分が狙われている事を確信してしまう!
命を狙われる殺し屋・・・愛する女性との約束。
果たしてジャックは、暗殺者としての人生と無事決別できるのだろうか?
静謐で静かなクライムサスペンス
とにもかくにもアメリカ映画らしからぬ静謐さがあり、静かに静かに物語が進むのです。
しかし その静かさが意外と緊張感があり、常に誰かに見張られているような張り詰め感が漂っている・・・。
本作は、派手なアクションやカーチェイスがないので、逆にリアルさが際立つ作品。
映像も音楽も美しく、アメリカ映画なのに趣豊かなフランス映画を見ているような気分!
ラストも、フィルム・ノワール風のアンハッピーな結末が印象的!
キャスト
ジョージ・クルーニー、ヴィオランテ・プラシド、テクラ・ロイテン、パオロ・ボナッチェリ、ヨハン・レイセン、フィリッポ・ティーミ、イリーナ・ピヨルクルンドなどが出演。
作品情報
製作国:アメリカ
監督:アントン・コービン
上映時間:105分
日本公開日:2011年7月2日
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