1978年に劇場公開された「未知との遭遇」の予告編動画は、こちら
アメリカのインディアナ州で大規模な停電が発生!復旧作業に向かっていた電気技師は、発光する謎の飛行物体・UFOと遭遇する!?
1977年に公開された『未知との遭遇』は、スティーブン・スピルバーグ監督が人類と異星人のファーストコンタクトを描き世界的ヒットを記録したSF作品。
史上空前のUFO映画の魅力を紹介
1970年代半ばはニューシネマが終焉し、アメリカ映画の中心はパニック映画とショービズ映画が多く製作され、SF映画が不毛の時期でした。
そんなSF映画の飢餓時期に現れた『未知との遭遇』は、巨大なUFOと宇宙人との接触をリアルに描き、宇宙人は本当に存在する?という 衝撃的なUFO映画ともなりました。
異星人による地球侵略の恐怖!
1953年に公開されたSF『宇宙戦争』は、UFOに乗って襲来した火星人による地球侵略の恐怖とパニックを描き、宇宙からの異星人は攻撃的な侵略者のイメージが固定されました。
高度な文明を有しながらも感情を持たない火星人が、どのような事情で故郷の惑星を捨て地球への侵略計画を進めてきたのか、ドキュメンタリーさながらのリアリズムで描いています。
『宇宙戦争』は、2005年にスティーブン・スピルバーグ監督×トム・クルーズ主演によって、リメイクされました。
ローランド・エメリッヒ監督が手掛けた『インデペンデンス・デイ』(1996年)は、突如襲来した宇宙人の一斉攻撃により大都市は廃墟と化し、宇宙人の侵略に立ち向かう人間たちを描いたSF大作で、『スカイライン・征服』(2010年)では、巨大な宇宙船によって地球が征服されるまでの3日間を描いています・・・もはや 人類になす術はない!
宇宙からの友好的な訪問者!
そんな、従来の脅威となる侵略系映画と異なり『未知との遭遇』は、異星人を侵略者としてではなく友好的な訪問者として捉え、人類との接近遭遇をスリリング かつ感動的に描いたS・スピルバーグ監督の代表作の1本です!
UFOとの接近遭遇には段階がある?
実はUFOとの接近遭遇には第一種、第二種と段階があり本作の原題『Close Encounters of the Third Kind』は直訳すると「第三種接近遭遇」の意味となり、第三種はUFOの搭乗員と接触することなのです・・・故に『未知との遭遇』は、異星人との接触物語。
宇宙人来訪の目的は?
『未知との遭遇』のラストでは、宇宙人が姿を現すと弱々しくやせ細りいまにも力尽きようとしているかのようである・・・そして、沢山の子供たちがその後、ゾロゾロ地上に降り立つ。
やがて、子供の宇宙人は主人公の手を引きUFO内に導いていくのでした。
これは子供の心を持ち続けたがゆえに、周囲からは認められなかった主人公が、宇宙人たちには認められ「救済」されたことを意味しているのです。
そして、宇宙人は人類との良好な関係性を築こうとしたと解釈できるかもしれません。
宇宙人と少年の交流!
1982年に公開された『ET』は地球の探査にやって来て、一人取り残された宇宙人・ETと少年の交流を暖かく描き上げたSFファンタジー映画として、多くの映画ファンに愛され続けています。
正に同監督による、『宇宙人シリーズ・三部作』とも言える作品となっています。
映画「未知との遭遇」のあらすじ・キャストと見どころを紹介
巨大なUFO!未知との遭遇
メキシコの砂漠で、第2次世界大戦中に消息を絶った戦闘機や巨大な貨物船が当時と変わらぬ姿のまま発見された。
一方、謎の発光体がアメリカの国内外で数多く発見され、インディアナ州では大規模な停電が発生した。
町一体の復旧作業に向かっていた電気技師ロイは、発光する謎の飛行物体と遭遇する・・・”自分はUFOを見たのではないか” と?
それ以来、何かに取り憑かれたようにその正体について調べ始めたロイは正気を失い 会社もクビになり、妻子にも逃げられる。
同じ頃、ワイオミング州のデビルズ・タワーという山で毒ガスが発生し住民が避難していた。
そして、光を追い続けていたロイたちもこの山にたどり着く。
そこでロイたちが見たのは、巨大なUFOのマザー・シップが降り立って来る姿だった……
果たして、異星人とファーストコンタクトが取れるのか?
キャスト
「アメリカン・グラフィティ」のリチャード・ドレイファス、フランソワ・トリュフォー、他テリー・ガー、メリンダ・ディロン等が出演。
調査団のリーダーを、ヌーベルバーグのF・トリュフォー監督が演じているのも話題に!
特に、『2001年宇宙の旅』や『ブレードランナー』などを手がけたダグラス・トランブルのSFXと、撮影監督V・ジグモンドによる映像が素晴らしい!
ラスト20分が圧巻!
ラストのUFOとの交信シーンはどこか神秘的に描かれており、地球人と異星人との間で音楽を使って交流が始まるクライマックスの音と光の一大ページェントは何度見ても圧巻!
S・スピルバーグの『未知との遭遇』と『ET』は宇宙に対する夢を与えてくれます。
UFO を見た時 ・・・“未知の存在を恐れるのではなく、希望を持って空を見上げよう!
作品情報
製作国:アメリカ
上映時間:135分
日本公開日:1978年2月25日
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