「アイネクライネナハトムジーク」のあらすじと解説【出会いが彩るラブストーリー】

運命の赤い糸が必ずあるとは言えませんが、不思議な縁で結ばれた出会いはあるものです。

また、そんな縁で結びついた出会いは、そう千切れることはありません。

映画「アイネクライネナハトムジーク」は、そんな「出会い」をテーマにした映画です。

偶然の出会いから、人を介した出会いまで。作中には色々な「出会い」が登場し、爽やかなラブストーリーを作り上げています。

この記事では、映画「アイネクライネナハトムジーク」のあらすじやみどころをご紹介した上で、実際に見た感想を書いていきたいと思います。

2019年9月に劇場公開された「アイネクライネハトムジーク」の予告編動画は、こちら

映画「アイネクライネナハトムジーク」の概要

映画「アイネクライネナハトムジーク」は2019年に公開された日本のラブストーリーです。

伊坂幸太郎の同名小説を原作としており、短編小説集を見事に繋げた物語となっています。

監督は「愛がなんだ」の今泉力哉。主演には三浦春馬や多部未華子といった実力派をそろえています。また、MEGUMIや原田泰造、伊達みきおといった個性的な面々が脇役を務めていることも特徴です。

　「アイネクライネナハトムジーク」のあらすじ

仙台駅前でのこと。

大スクリーンに映し出されるボクシングタイトルマッチの下で、佐藤は街頭アンケートを集めていました。誰にも相手にしてもらえない彼の耳に、一人のストリートミュージシャンの歌が聴こえてきます。

場面は変わり、美容室。

美容師の美奈子は馴染み客の香澄と世間話をしていました。その中で美奈子は、香澄に恋人の有無を問われます。

美奈子は香澄に、恋人がいないことを伝えます。すると香澄は、美奈子に自分の弟を紹介しようと言うのでした。

恋人がいないのは、佐藤も同じでした。佐藤は友人宅で食事をとりながら、ある種の「出会い」に望みを抱いていることを友人に笑われています。

しかし美奈子は、少しの進展がありました。香澄の弟から電話が掛かってきて、定期的に連絡を取り合う仲となったのです。

映画「アイネクライネナハトムジーク」のみどころ

爽やかに、ゆるゆると物語が進行する映画「アイネクライネナハトムジーク」。

ここでは、そんな今作のみどころについて書いていきます。

　出演俳優の豪華さ

映画「アイネクライネナハトムジーク」には、多くの名俳優・女優が出演しています。

その豪華さは、十分なみどころの一つと言えるでしょう。

代表格は、主演を務めた三浦春馬や多部未華子。

今作は群像劇に近いものではありますが、物語のメインとなる主役の二人の存在感は確かなもの。

奇跡的な出会いとその後の展開に、ぐっと引き込んでくれます。

また、随所に登場する個性的な俳優陣も、映画の端々で魅力的な登場人物を演じています。

脇役に注目して映画を鑑賞してみるのも楽しいかもしれません。

　「斎藤さん」の存在感

原作者の伊坂幸太郎のファンであれば、彼とシンガーソングライターである斉藤和義の関係性が深いということをご存じでしょう。

そしてその関係は、映画の主題歌を斎藤和義が担当しているという点で、しっかりと表現されています。

そして何より、今作には「斎藤さん」と呼ばれる（？）ストリートミュージシャンが登場します。

「斎藤さん」を演じるのはこだまたいちという俳優ですが、その風貌も、優し気な歌声も、どことなく斎藤和義を彷彿とさせます。

「斎藤さん」が登場している時間やシーンは少ないものの、物語の重要なシーンにサラリと出てきては、不思議な余韻を残して去っていきます。その存在は、物語を代表するものと言って良いかもしれません。

映画「アイネクライネナハトムジーク」の感想

今まで、いくつもの恋愛映画を見てきました。恋愛映画の多くは、出会ってからその過程を描くものです。

二人が出会って恋愛関係になるまでに、もしくは、恋愛関係になってから何が起こったのかを描写しているのです。

しかし、映画「アイネクライネナハトムジーク」は少し違いました。

今作のテーマは、先に書いた通り「出会い」です。

恋愛の過程そのものや、恋人になるまでの過程よりも出会いを重視しています。

それは、主人公の佐藤が「出会い」にばかり目を向けていることでもわかるでしょう。

そのためか、佐藤と紗季の描写でも出会いの部分は丹念に描かれていますが、交際に至ってからの描写はほとんどありません。

こうした物語の進み方はいままでにないもので、斬新に感じます。

そして大切なのは、交際に至る過程が無くとも、二人の将来を頭の中で描けるということです。

通常の恋愛映画にあるように、幸せな二人の笑顔と生活が、その先に見えるということです。

その分、物語後半にあたる10年後の話を見ると、びっくりしてしまうかもしれません。

しかしそれは、実際に見てのお楽しみということで、ここでは触れないでおきましょう。

「アイネクライネナハトムジーク」のレビューを調べてみた

まとめ

何かロマンティックな気分に浸りたいとき、恋愛映画は良いものです。

そして、自分の恋愛に関する記憶をさかのぼりたいときにも、こうした映画は役立ちます。

ふと、一緒にいる恋人の魅力が分からなくなったとき、その出会いを思い出してみましょう。

今回ご紹介した「アイネクライネナハトムジーク」は、そんなときに見て欲しい映画です。

「運命」があるかはわかりませんが、しっくりとくる「出会い」はあります。

出会いを軸にした映画の世界に飛び込んでみましょう。