『シャイニング』は、スティーブン・キングによるホラー小説であり、後にスタンリー・キューブリックが監督を務めた同名の映画としても知られています。
この作品は、その恐怖と緊張感によって、ホラー映画の古典とも言える地位を確立しました。
映画版は特に、ジャック・ニコルソンの演技や象徴的なシーンで評価されています。
作家ジャック・トランス、一家は雪に閉ざされたオーバールック・ホテルでの管理を引き受けるが、次第に彼の精神は蝕まれていく・・・。
1980年に劇場公開された「シャイニング」の予告編動画は、こちら
登場人物・出演者
ジャック・トランス(ジャック・ニコルソン)・・・作家志望だがアルコール依存症
ウェンディ・トランス(シェリー・デュヴァル)・・・ジャックの妻
ダニー・トランス(ダニー・ロイド)・・・ジャックの息子
トニー・・・謎の少年
ハロラン(スキャットマン・クローザース)・・・ホテルの料理長
グレイディ(フィリップ・ストーン)・・・ジャックの前の支配人
「シャイニング」のあらすじ
ジャックは新たな職場である「オーバールックホテル」で働くこととなりました。
彼は、妻のウェンディと息子のダニーを連れてこのホテルに向かいます。
ホテルに到着したジャックとウェンディは、ホテル内部の案内を受け、宿泊する部屋を確認します。
一方で、ダニーは料理主任のハロランから「シャイニング」という特殊な能力について教えてもらいます。
この「シャイニング」という能力は、未来を見通したり、何か不思議な予感を感じ取る力を指します。
ダニーはこの能力を自分の中に宿しており、「トニー」と呼ばれる人物に未来の出来事について忠告されることが度々あります。
タイプライターで小説を作成するジャック
ジャックは作家として小説を完成させるため、タイプライターに向かって執筆の日々を送ります。
冬のシーズンにはホテルから人がいなくなるため、雪の積もり具合を管理しながらボイラーを定期的に動かす必要があります。
ウェンディはこの点検作業をしつつ、ダニーと迷路庭園で遊ぶ時間を過ごし、ジャックは小説執筆に専念します。
1ヶ月が経過したある日、ウェンディがジャックに声を掛けようとすると、ジャックは「君が来るたびに仕事が中断する」と苛立ちを隠さず、彼女を叱りつけました。
ウェンディはしぶしぶその場を離れホテルの外に出ようとするも、電話が全て繋がらないことに気付きます。
無線を使い警備会社に連絡を取ったところ、大雪の影響で電話が機能していないと説明を受けます。
有名なシーンが次から次へと出てきます
一方でダニーは、誰もいないはずのホテル内で双子の少女を目撃し、不吉な予知夢を断片的に見始めます。
ある日、誰も入ってはいけないと言われていた237号室の扉が開かれているのを見つけ、内部に足を踏み入れました。
その後、ダニーが戻った際、その首には不気味なあざが残っており、ウェンディを驚かせました。
ジャックはこの話を聞いて237号室に向かいますが、そこには浴室で裸の女性が現れ、彼とキスを交わすと徐々に腐乱した老人の姿に変化します。
驚いたジャックは急いで部屋を飛び出し、何もなかったとウェンディに嘘を伝えます。
さらに、ウェンディがホテルから逃げたいことを訴えるも、ジャックにはそれが受け入れられず、彼の振る舞いはますます奇妙になっていきました。
ある日、ウェンディがジャックのタイプライターの原稿を見た際、そこには意味不明な文字列が大量に書かれているのを発見し、ショックを受けます。
ジャックは次第に心の状態が悪化していき、ウェンディに対して攻撃的な行動を取るようになります。
彼女はバットでジャックを殴り気を失わせ、食糧庫に閉じ込めます。
その後、ウェンディはダニーと共にホテルから脱出しようと車を確認しますが、パーツが外されていて逃げる手立てがないことを知り、部屋に引きこもるしかありません。
何者かの助けで食糧庫を脱出したジャックは斧を手に持ち、ウェンディとダニーの部屋に向かいます。
ウェンディはダニーをバスルームの小窓から逃がし、ジャックの手を包丁で切り付けることで応戦します。
その頃、ホテルの危機を察知したハロランが車で駆けつけますが、ジャックに刺殺されてしまいます。
巨大な迷路
ダニーは機転を利かせ、ホテルの庭にある巨大な迷路へと父ジャックをおびき出します。
ダニーは巧妙にジャックを撒くことに成功し、母ウェンディと合流。
ハロランの車に乗り込み、ホテルを離れることに成功しました。
一方、ジャックは迷路内で凍死し、ホテルには1921年7月4日の舞踏会の写真に彼の姿が残されることになりました。
『シャイニング』はホラー映画のジャンルの中でも、スティーブン・キングの原作小説を基に作られた傑作で、スタンリー・キューブリック監督の手腕により、その恐怖感と緊張感が一層引き立っています。
数々のショックシーンや独特の音楽、奥深い考察が可能なストーリー展開が、ホラー映画の歴史に残る名作とされています。
また、その受賞歴や評価も高く、多くの映画レビューでも高評価を受けています。
迷路のシーンや双子の少女など、映画の名シーンが次々と繰り出されることで観る者の注意を引き付け、忘れられない映画体験を提供する作品です。
「シャイニング」の感想・魅力
ホテルでの新生活の始まり
新しい生活が始まる時、それは希望や期待に満ちている。
しかし、スティーブン・キングの名作『シャイニング』で描かれる新生活は、まったく異なる様相を呈する。
物語の中心となるトランス夫婦が冬季閉鎖中のホテルに移り住むこのシナリオは、読者に緊張感を植え付ける。
ホラー小説やホラー映画の古典として知られる『シャイニング』は、家族の新しい始まりがどのようにして恐怖に変わっていくのかを鋭く描き出している。
不審な光景にハラハラ
元々、墓地だった土地にホテルを建設し、たびたび事故に見舞われただけでなくジャックの前任者が不審な死を遂げていたという曰くつきの場所。
BGMが不穏を煽りつつ、ダニーが恐ろしい予知夢を見たり、ジャックも悪夢にうなされていたことから後半の鬼気迫る展開になっていくのが印象的です。
ジャックは1970年に前任者である真面目なグレーディーが、心を病んでウェンディと双子の娘を殺して銃で自殺したという話を聞いていました。
そのため、自身も同じように気が狂ってしまうのではと心配するのも無理はないなと思います。
そうして嘆いていたハズの彼が徐々に変容していく姿は恐ろしく、ウェンディの鬼気迫る表情も事態が急変していく様子が伝わってきました。
ジャックは目を見開いて強い言葉で脅すように話し、ウェンディは泣きながら「止めて」と語り掛けるようにするシーンはハラハラさせられました。
シャイニングのホテルの謎
ホテルは長い歴史を持っており、多くのゲストや従業員が訪れ、その中には不気味な出来事も数多く起こったという背景がある。
このホテルの隠れた歴史が今後の物語に大きな影響を及ぼします。
ホテル自体がまるで生きているかのように、過去の出来事が現れる場面は読者に驚きと恐怖を与えます。
これこそが『シャイニング』を単なるホラー小説から、より深い心理的スリラーへと昇華させている要因である。
ダニーとウェンディが凄い
ダニーは寝ていたウェンディに包丁を持って近付き、「RED RUM(レッド ラム)」と低い声で何度も呟いて危機を知らせました。
もちろん、彼女は目覚めた際に息子が包丁を持っていたことで驚愕しますが、赤い文字で「RED RUM」と書かれていたのを逆から読んで「MURDER」になっているのに気付くのです。
殺人者が来るという暗示と共にジャックがすぐさま現れたため包丁を構えておけるキッカケになったのは凄いと思いました。
ジャックの異常に気付き、ダニーが少し変わった力を持つということを知っていたからこそ、ウェンディは逃げる判断が早くできたのだと思います。
一方、ジャックは斧で施錠されたドアを開けようと何度も斧を叩きつける姿が凶悪でした。ウェンディの恐れおののく表情と、決意を固めて彼がドアの鍵に手をかざしてくるのに合わせて包丁を切りつける姿は勇ましいと感じさせるシーンです。
ウェンディとジャックの一進一退の攻防は言動以上に表情に引き込まれることが多かったですね。
ダニーの不思議な力
ダニーは特別な「シャイニング」の力を持っているが、その力が彼に恐怖体験をもたらすことになり、映画をより魅力的にします。
彼の持つ第六感がホテルの闇を感じ取り、不吉な予兆を家族に伝えようとするも、幼い彼にとってはその力を扱うのが難しい。
不思議なビジョンや音がダニーを襲い、彼の精神状態にも影響を及ぼす。
ダニーの力がどのように物語を動かしていくのか、その展開が見逃せない要素である。
ラベランスの迷宮
ホテルの外には巨大なラベランスのような迷路があり、これは作品の中で非常に重要な役割を果たします。
特にジャックがダニーを追い詰めるシーンでは、この迷路の構造が緊迫感を一層高めます。
迷宮は象徴的に、登場人物たちの精神的な迷走を映し出しているとも言えます。
また、このシーンは視覚的にも印象的で、多くの映画ファンに深く刻まれています。続編
キューブリック監督のシャイニング
『シャイニング』の劇中では様々な場面でインディアンにまつわる会話や、映像表現がなされています。
例えばジャックがシャワールームのドアを 打ち割る時の凶器は、インディアンが使用していた斧と同じものです。
ジャックは建物の呪いをもろに受けている存在ですから、その怨念や狂気が彼に乗り移り、斧を使用したのだと考えられます。
『シャイニング』で期待すべきホラーは暴力やおどろおどろしい悪霊では無く、水面下に確かに潜む絶大で邪悪な脅威の正体に想像を膨らませ、その禍々しい存在に震え上がること。
キューブリック監督は、ジャックは過去の人物が転生したキャラクターでオーバールックホテルに回帰せざるを得ない運命にあると述べていますが、ジャックがオーバールックホテルの一部と言えるヒントは『シャイニング』で随所に鏤められています。
ダニーがカートに乗り、屋内を走り回って遊ぶシーンでは、カメラがダニーの背後を浮遊する様に後を追います。
ダニーを追うこの”眼”は、狂ったジャックが迷路の中でダニーを追うシーンでジャック自身の目線として表現され、邪悪な意思を持つオーバールックホテルとしてダニーに牙を向けようとしている事が分かります。
シャイニングのパロディCM
ゼロシュガーのドリンクのCMのようですね
完璧主義者のキューブリックの撮影
ジャックがバスルームの扉を斧で叩き割る、たった2秒のシーンに190テイク以上も繰り返したと言われています。
撮影に2週間も費やされたこのシーンは、シャイニングの中でも1番のみどころとなりました。
ジャック・ニコルソンのあの狂気じみた名演技は、リテイクを繰り返したことによる疲労から引き出されたものだとも言われています。
スタンリー・キューブリックの代表作として、「2001年宇宙の旅」があります。興味がある方は、以下の記事を参考にしてみてください。
シャイニングの有名シーンは、レディープレイヤーで登場
シャイニングを見た後に、レディープレイヤー1を見ると余計に楽しめるかもしれませんね。
映画「シャイニング」のレビューを調べてみた
シャイニングはうろ覚えなので申し訳ないんですけどホラーよりはスリラーに近いのでそっちが大丈夫ならいけると思います ただミッドサマーはグロとネタバレになるのであれですけど脳破壊要素があるので注意した方が良いかと思います…映像美を見る映画みたいな所あるので破壊要素はオマケですけど
ぶっちゃけシャイニングはどっかで前衛か特殊あたりになりそうだから医療と言いきれん。
映画「シャイニング」の作品情報
- 製作国:アメリカ,イギリス
- 監督:スタンリー・キューブリック
- 上映時間:143分(北米公開版)、119分(国際版)、146分(プレミア上映)
- 日本公開日:1980年12月13日
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